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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】vol.5 大分編(前編)--「ブルーバード劇場」で観光地における映画館のあり方を問う

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ローマ字表記で「BEPPU」って書くとなんかオシャレ

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ゴールデンウィークに行った映画館巡りの大分編です。ブログに載せなきゃなあと思いつつ、なんかダラダラとしてたらこんな時期になってしまいました。当時の記憶とかも薄れ始めているので、基本的に写真だけ見て下さい。

 

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すげえカッコイイ電車に乗った

 

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大分駅から20分ちょっとで別府に到着

 

日本有数の温泉地である別府。このクラスになると温泉地特有の寂れた感じはまるでなく、駅前にはいきなりヤマダ電機があったりする。「寂れていない」の理由としてヤマダ電機はどうなのかってのはあるが。まあともかく、道路も広いし大きな商業施設も複数あるし、県内2~3番手くらいの地方都市としての貫禄は十分に感じる。あと、大分市から相当近いってのもアドバンテージなのだろう。

 

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駅前には怪しいおじさんの銅像

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説明を読むと、さらに怪しい

 

目当ての映画の上映時間はまだ先なので、しばらく別府の駅周辺をうろついてみる。「地獄巡り」などの超メジャースポットは、駅からさらにバスでちょっと行った先だからなのか、駅周辺の観光客はまばら。それにしてもゴールデンウィークの割に人がいない気もしたが、何か理由でもあったのだろうか。

 

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竹瓦温泉

 

100年以上前に建てられた木造建築が風靡な竹瓦温泉は朝から多くの観光客が写真に収めていた。ただここの男風呂の更衣室、窓が空いていて道路から丸見えなんだがいいんだろうか。

 

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「観光地の商店街あるある」
昔の日本映画のポスターを掲げた店がある


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さすがにアウトだと思う

 

何度も温泉に入ったり出たりしてたら服を着るのが面倒くさくなってきたが、そうこうしているうちに上映時間が迫ってきたので駅のほうに戻る。

 

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「ブルーバード劇場」

「ブルーバード劇場」は別府駅からまっすぐ伸びる大通り沿いにある小さな映画館。しばらく道路から観察していたが、興味を持って寄ってくる観光客が多数いた。

映画が「日常的な娯楽」から「年に数回のイベント事」に変わりつつある今、観光地の映画館というのは需要があるのかもしれないと実感した。いくら別府とはいえ温泉だけでは飽きるわけで、「古びた小さな映画館」という「2時間程度のアトラクション」は、観光の中でいいアクセントになりそうである。

 

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訪れた時に公開中だった3作品

 

ただ観光客が興味深そうに覗き込んだあと、誰もが無言で立ち去ってしまっていた。その理由は、ラインナップにあるのではないか。『風のたより』『さようなら』『大地を受け継ぐ』の3本。詳しくは省略するが、共通点は「原発」である。ゴールデンウィークのかきいれ時にこの3本を並べたところから、観光地の映画館としての役割よりも優先したい何らかの使命感を感じ取ってしまう。まあ、過去の上映作品とか調べてみると、たまたまのような気もするけど。それにしてもタイミングがちょっとなあとは思う。

 

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入って階段を登る

 

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阪本順治は別府おなじみらしい

 

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巨大なスピーカーに迎えられる

 

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赤い文字がホラーっぽい

 

昔の映写機の展示を見たのは富山、岐阜に続いて3回目である。「地方の映画館あるある」かもしれない。さて、館内に入ってみたものの、誰もいない。

 

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はじめてのパターンだった

 

映画を観たかったら電話して下さいとのこと。しばらく待っていたが誰も出てこないので電話をかけようとした矢先、館長と思われる高齢の女性の方(あとで調べたところ、この方がもぎりから映写まで館内の仕事を全て一人でやっているらしい)が出てきて応対してくれた。

 

 

f:id:yagan:20160726232203j:plain座っていいのか判断に迷う

 

ロビーと言っていいのかわからない小さな空間には、ポスターや写真や映画館を紹介した新聞記事などが所狭しと貼られていた。大分つながりで『カラアゲ★USA』のポスター(サイン入り)などもあったが、気になるのは館長が様々なスターとともに撮られた写真である。

 

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超ビッグネームばかりではないか。何者なんだ、館長。

 

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スクリーンの両脇に花が飾ってある。斬新。

 

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ちなみにトイレは和式だった。

 

ボク以外の客は連れ立った3人の女性だけだった。館長とも顔見知りっぽかったので、観光客ではないと思われる。この時に観た『大地を受け継ぐ』は、東日本大震災後に自殺した福島の農家の人の家に大学生たちが訪れて家族の話を聞くというドキュメンタリー。映画自体の評価はともかくとして、まあ、ゴールデンウィークの旅行中に浮かれ気分で観たい作品ではない。

あと、スクリーンの脇にトイレの入口があるのだが、上映中に何度か館長がトイレに入っていったのが、すごく気になった。

 

繰り返すが、観光地の小さな映画館というのは、かなりアリだと思う。ちょっと変わった体験ができるのは、旅の醍醐味であるだろうし、思い出として記憶に残りやすい。別に「ブルーバード劇場」にその気はないだろうし、観光客に向けて積極的にアピールしたらむしろ逆効果なので難しいところだが、ほんのちょっとだけ観光地の映画館として歩み寄ってくれたら面白いことになりそうだなあとは思った。せめて長期連休中の上映作品だけでも少し工夫してくれれば、と。

 

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映画館に貴賤はないということで、ここにも入ってみた。
世の中にはまだまだ知らない世界があるんだなあと感じた。

 

後編はこちら

yagan.hatenablog.com

 

 

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過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」の記事

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