映画‗邦画
インド出身で日本在住のアンシュル・チョウハン監督が、祖父との思い出を大元にして脚本を書いた、本人曰く"パーソナルな映画"。それを日本の片田舎(ロケ地は岐阜県)を舞台にして、低予算の日本映画にありがちな、ぎこちない家族の話にきちんと変換してい…
最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
主人公は、記憶を失って車(マツダの初代キャロル)で車上生活を送る青年・名越(演:綾野剛)。記憶喪失なので自分が何者なのか解らないが、新宿西口公園のホームレスとは親しい付き合いのようだ。その一方、なぜかクレジットカードを持っているので、高層…
池田暁監督の映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』は、おそらく日本だと思われるが、いつの時代のどこにあるかもわからない津平町を舞台に、川を隔てた隣町との戦争の様子を描く。
最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
見渡す限り田園風景の真ん中でポツンとひとり佇む、スーツ姿にキャリーバッグを持っている男。荷台が金魚の水槽になっているポップな軽トラが通りかかったので、運転手の若者にスマホの画面を見せて目的地までの行き方を尋ねる
表向きは小さなニュース配信会社であるAN通信。実は企業の極秘情報を密かに手に入れて競合他社に売りつけ、報酬として大金を頂く超大規模なスパイ組織だった。スパイ行為を行う所属エージェントたちの胸には爆弾が埋め込まれていて、24時間ごとの定期連絡…
鑑賞中、ずっともやもやとした気持ちが発生していた。コアな趣味で繋がっている人たちの中だけで完結している内輪ノリを、外側から覗き込んでしまったかのような、はっきりと言ってしまえば生理的な嫌悪感。
最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
主人公のミーコこと丘葉未唯子(演:須田亜香里)は、JMP所属のプロ雀士だが、腕前は素人レベル。ミーコは、雀荘で偶然出会った昨年の風王戦王者・波溜晴(演:萩原聖人)に強引に弟子入りする。
あの酒井法子主演映画がひっそりと公開されていた。撮影は2014年だが事情によってお蔵入りの危機にあり、7年の月日を経てやっと公開に漕ぎつけたらしい。あまりの遅れに出演していた角替和枝は公開を待たずして亡くなってしまった。
映画監督よりも先に名前の挙がる脚本家は今の日本では宮藤官九郎くらいかと思っていたが、坂本裕二もそのひとりであるようだ。宣伝媒体では「『それでも、生きていく』『最高の離婚』の名脚本家が手掛けた」と売り文句に利用され、監督の土井裕泰は「坂本裕…
先に結論を言ってしまうと、けっこう満足感を得た作品なのである。これから不平不満も多く並べるけれど、普段どうしても心霊ホラーにノれない自分にしては、「ああ、この方法を取ってくれれば心霊ホラーも充分に面白がれるかな」と思えたのは事実だ。もっと…
時は1963年(ややこしいのだが、劇中の舞台はタイトルの前年)、映画会社「太映」の社長・ナガノは、大ヒットしているライバル会社の怪獣映画に匹敵するものを自分たちも作ろうと提案する。そこでの企画会議に参加した特技監督のツカジによる、実際の生きた…
世界で最も多くリメイクされた映画としてギネスに載っているイタリア映画の日本版リメイク。年に一度のパーティーに集まった3組の夫婦と1人の独身男が、「夫婦の中に秘密があっていのか」という話の流れで全員のスマホを見せることになる。
原作は「週刊少年マガジン」に連載中の4コマ漫画。好意を持っている女性が周囲に多数いるが朴念仁な主人公の男子高校生だけが気づいていないという、よくあるハーレム状況の中で、時に度を越えたシモネタによるオチが繰り返される。マンネリも10年続ければ…
2015年にインターネットで生配信された、棋士vsコンピューターの将棋の対局から着想を得たフィクションで、その旨は冒頭の字幕でも示される。
最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
千葉にあるローカル鉄道の銚子電鉄が、変電所の修繕工事の資金調達のために制作した映画。当初の映画公開は2019年の夏頃だったはずだが、延期を重ねた末に、2020年の年末にやっと公開された。そのおかげで、タイトルのパロディも「今それかよ」と一周回って…
最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
金曜日昼間のTOHOシネマズ日比谷。ロビーに着いた段階で「平日にしては人が多いな」とは感じたが、TCXを備えたスクリーン5に入ったところ、397席あるうちの8割以上が埋まっていて驚いた。前方と両端には空席があるものの、体感としては満席に近い。ほぼ女…
最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
インタビューを読む限り、芸能人監督にありがちな「映画監督という肩書が欲しい」みたいな承認欲求が池田エライザにはあるわけではなく、「新しいことにチャレンジしたい」という純粋な気持ちが大きいようだ。おそらく本心だと思うのだが、これはこれで厄介…
最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
高校生の花蓮(演:石井杏奈)は、たまに幼い頃の記憶の断片が脳内に現れ、意識を失って倒れたりしている。そんな中、修学旅行で韓国に行くために必要となった戸籍謄本の記載を見たところ、実は自分は今の両親と血が繋がっておらず、4歳の時に養子として家…
東京郊外で暮らす笹谷一家だが、父・修二(演:いとうせいこう)の借金によって大豪邸を手放すことになり、引っ越し作業を進めている。娘・あかね(演:小川未祐)は生気の抜けた表情の父に愛想をつかして「今日、パーティーをします」とTwitterに投稿する。…
北海道釧路市の山中にある小さなラブホテル「ホテルローヤル」の内外で起こる様々な人間模様が繰り広げられる物語。原作は桜木紫乃による連作短編集で、繋がりはあるが基本的に別個のエピソードである個々の短編を、ホテル経営者夫婦の一人娘・田中雅代(演…
『人狼ゲーム デスゲームの運営人』は、いつものように集められて生死をかけた人狼ゲームを強制させられる高校生の様子と、その様子を別室で監視している運営側の様子が、並行して進む。高校生が9人と少なくルールも複雑ではないし、さらには運営側の会話に…
最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
今週末(2020年11月13日)に最新作が公開される映画『人狼ゲーム』シリーズの過去作をまとめて鑑賞したのだが、これが意外にも面白くて驚いたからである。特に熊坂出監督による最初の2作は、日本のサスペンスホラー映画としては刮目すべき作品だ。