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【邦画新作】『熱のあとに』感想レビュー—その場の状況に応じて白樺湖は様々な顔を見せる。統一感は無く。


監督:山本英/脚本:イ・ナウォン
配給:ビターズ・エンド/上映時間:127分/公開:2024年1月2日
出演:橋本愛、仲野太賀、木竜麻生、坂井真紀、木野花、鳴海唯、水上恒司

 

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いきなり個人的な話から始めて恐縮だが、本作『熱のあとに』の舞台となっている長野県の諏訪地方はボクの地元である。この辺りでロケが行われている邦画は意外とある。近作では是枝裕和監督『怪物』が真っ先に挙げられ、まるで世界にぽっかりと空いた大穴のような真夜中の諏訪湖は印象的であった。諏訪湖を印象的に撮っている邦画では他に、深田晃司監督『さようなら』もある。

愛したホストを刺して殺人未遂の罪となった沙苗(演:橋本愛)。その6年後、刑期を終えた沙苗は、知人の代理でお見合いにやってきた健太(演:仲野太賀)と結婚する。白樺湖のほとりのペンションだった建物で一緒に暮らし始める2人。それなりに平穏に暮らしていたが、謎の隣人女性・足立(演:木竜麻生)が現れ・・・。

そう、本作で印象的に映し出されるのは、いつもの諏訪湖ではなく白樺湖である。かつては、冬はワカサギ釣りのスポットとして知られ、夏場も避暑地として県外から多くの人が訪れていた、それなりにメジャーな観光地だった。池の平ホテルのCMを思い出す人もいるかもしれない。まあ、現在は客足が減り寂れつつあるとの噂も聞くが。劇中でも観光地であることを隠すことはなく、主人公夫婦の自宅が元ペンションであるのもそうだし、カメラに映る街並や湖畔の舗装された歩道や浮かぶスワンボートからは、人の手が入っているのが容易にわかる。

 

注意:このあとの自由課金部分(払わなくてもOK)で終盤の展開に触れていますので、未見の方はネタバレにご注意ください。

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