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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.13 三重編--「伊勢 進富座」の周辺は怖くなってくるほど静かだった

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伊勢 進富座

開館:2002年/運営:水野昌光/スクリーン数:2/座席数:計168(120,48)
所在地:三重県伊勢市/アクセス:近鉄山田線宮町駅より徒歩5分

 

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5月4日みどりの日。前日の夜に津駅に着いて夕飯を食べたあと東横インで1泊し、当日は朝から伊勢神宮に参り、そして午後はミニシアター「伊勢 進富座」で映画鑑賞してきたわけである。この程度の行程のみの印象なので多分に間違っていると思うのだが、三重ってチェーン店が異様に少なくないか。飲食店に関して言えば、津駅の駅ビル内に「サイゼリヤ」「ミスタードーナツ」「ドトール」があったが駅の外には何も無いし、あとは伊勢神宮の外宮から内宮まで移動中に「すき家」を一度見ただけであった。全国どこにでもある「松屋」も「ココイチ」も見当たらなかった。「ココイチ」って、驚くようなところにまであったりするのだが。

 

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軽くホラーな気がする

 

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商店街のマークらしく、ことあるごとに見かけたのだが、怪しい新興宗教に乗っ取られたとしか思えない。そして商店街に人が全くいない。

 

 公式サイトの地図では、伊勢神宮外宮から歩いて行けそうな位置に映画館「伊勢 進富座」がある。で、実際に歩いてみると、まあ30分くらいですかね。しかし世界レベルのド観光地である伊勢神宮の徒歩圏内だというのに、どこもかしこも人がいない。ゴールデンウィーク真っただ中だというのに、ひっそりとしている。サノスが何かしたのかと思うくらい。

 

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こんな感じの道の先に・・・

 

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「伊勢 進富座」が見えてくる

 

青いのが別館で、2006年オープン。奥の古い建物が本館で、2002年オープン。ただし歴史は古く、明治時代の芝居小屋まで遡る。映画館としては1953年に「進富映画劇場」の名前でオープン。名前を変えたりと紆余曲折がありながら、1997年に一旦休館。2002年に今の名前で再オープンしている。この辺の歴史は公式サイトとWikipediaに詳しい。異常なほど詳しい。

 

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伊勢神宮の近くだからか、外壁に神棚がある

 

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裏通りから見ると、たしかに年季の感じられる佇まい。
看板も、良い感じ。

 

敷地は、対面する2つの道路に挟まれている。表通りが真ん中に白線のある歩道付きの道で、裏通りは白線・歩道無し。ミニシアターにしては珍しく広めの専用駐車場が完備されているが、上映15分前にならないと入れないというルール。車から降りてチケットを買って座席に着くというタイムロスを考えると、車での来場時はかなりピンポイントで到着しないといけないのではないだろうか。まあ、車もほとんど走っていないので、渋滞に巻き込まれるとかありえなさそうだが。

 

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裏の向かいに、そそられる建物がある(潰れた美容院らしい)

 

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かつては栄えていた夜の歓楽街であった名残が見受けられる

 

裏通り側は、数件ではあるがスナックなど大人の店が見受けられる。周囲があまりにひっそりとしているので住宅地と思いがちだが、おそらく用途地域は商業地域のはずだ(でないと映画館は建てられない)。隣は焼肉屋だし。

地方のミニシアターが(かつての)歓楽街にありがちなのは、昔は映画館が「夜の社交場」であった証拠であろう。

 

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さて、到着時間からすると、本館で上映の『ウィストン・チャーチル』か、別館で上映の『ウィスキーと2人の花嫁』の、どちらを鑑賞するか決めねばならない。ぜひ明治から続く本館(いや、建物は建て替えているだろうけど)の中に入ってみたかったのだが、『ウィストン・チャーチル』のほうが終了が30分遅い。この30分のせいで、本日中に東京に戻れない可能性もある。あと、旅の疲れもあって重厚な映画を観るモチベーションも上がらないので、コメディチックな『ウィスキーと2人の花嫁』を観ることとする。

 

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和風コーヒーゼリー

 

上映時間まで1時間以上もあったのだが、周りに時間を潰せるような場所が無い。フラフラ周辺を歩いていたら、こじんまりした喫茶店を見つけたので入ってみる。こじんまりというのは外観の印象で、実は2階席もある広めの喫茶店だったが。和風コーヒーゼリーとアイスコーヒーという、被っていることに後で気づいた注文をして、ちびちび食べて時間を潰す。カウンターではおばちゃんが大きな声で延々と関西弁を喋っていたので、そういえばここは関西だったんだと久々に思い出した。

 

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真ん中の何者かが、イメージキャラクターらしい

 

時間が近づいてきたので、改めて映画館に向かう。駐車場では、とても元気な女性が、訪れる車を1台づつ案内していた。本館か別館かによって停める位置が違うらしい。

公式サイトでも強調されていたが、「伊勢 進富座」は客席だけではなくロビーも携帯電話禁止である。そう、あの悪名高き山梨県甲府市の「シアターセントラルBe館」と同じだ。公式サイトのQ&Aの文章が妙に高圧的なのもあり、あの時のような居丈高な受付がいるのではないかと怖くなってくる。もちろん、スマホの電源を切ってから、中に入る。

そういうわけで、「別にカメラ禁止とは書いてなかったじゃん」と言い訳してロビーで一眼レフカメラを構える勇気も無かったので、映画館内部は記憶によるイラストにしています。

 

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記憶で描いた別館ロビーのイメージ図

 

これを描いた後に外観と見比べていたら、その時点で辻褄があっていなかった。たぶん、トイレはもっと大きいです。ロビーの広さは6畳より少し広いくらいですかね。おそらく、外からの入口と客席への入口が同じようなタイミングで開くので、ロビーで待機する必要が無く、広さはそれほど問題にならないかもしれない。

ガラスのショーケース(中にパンフレットがある)が置いてあるだけのチケットカウンターでは、スタッフ(おばあちゃん)がとても和やかに受付をしてくれた。甲府の時のような嫌な思いをするかもと身構えていたので、拍子抜けである。ちゃんと映画名を確認されて(間違える人がいるんだろうなあ)、チケットを買う。祝日とはいえ金曜日だったので割引で1200円だった。

 

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スクリーンの様子。なんかいろいろ申し訳ない。

 

別館の席数は48席。後方にはブランケットがあり、ご自由にお取りくださいとのこと。スクリーンの左下という変わった位置にアナログ時計があったが、照明を落とせば見えなくなるので、目障りということではない。この日のお客さんは15人くらい。割と年配で、夫婦もしくは女性の2~4人のグループが多い模様。それほど集客力のある作品でもないので、「近くの映画館で何かやってるから観に行く」というモチベーションかな。

座席、音響といった設備はごくごく普通。別館は2006年スタートの新しい建物だから、当たり前か。

 

三重県も広さの割には映画館の少ない地で、「伊勢 進富座」以外にはイオンシネマが4つ、109シネマが2つしかない。「伊勢 進富座」は県内唯一のミニシアターとして存在意義は充分にあるし、観客もひどく少ないわけではないので、それなりに機能してそうである。ただ、そうは言っても、これまで訪れた地方のミニシアターって、そこそこ大きい駅の近くだったり、あるいは現役の商店街にあることが多いので、館内はともかく周辺からは一応の活気は感じられたのだ。だが今回は、映画館周辺の不気味なほどの静けさばかりが、どうしても印象に残る。伊勢神宮の恩恵をここまで届かせることはできないのだろうか。帰り道、そんなことを考えながら近鉄線で揺られていた。ここから名古屋は、けっこう遠かった。

 

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最寄り駅の近鉄山田線宮町駅。
この写真は、映画館とは反対側の出入り口です。

 

 

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過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」

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