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【邦画新作】『逃走中 THE MOVIE』ネタバレあり感想レビュー—屈指の人気コンテンツを自らの手で握り潰すフジテレビの迷走中


監督:西浦正記/脚本:青塚美穂
配給:東映/上映時間:97分/公開:2024年7月19日
出演:川西拓実、大澤瑛次郎、伊香賢、北村勇吾、西園寺陸、佐藤大樹、田鍋梨々花、川原瑛都、岡宏明、内田慈、笠原秀幸、長井短、本多力、松平健

 

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バラエティ番組の映画化ってだけで愚作だと決めつけて文句をタラタラ言うような小うるさい映画オタクなんて、別に気にする必要はない。元ネタである『逃走中』のファンが楽しめれば、それでいいのである。しかしこの『逃走中 THE MOVIE』、人気番組の人気たる所以を根こそぎ剥ぎ取ってしまっている。20年以上も続く大ヒットコンテンツを、フジテレビが自らの手で潰すとは、なんたることか。

改めて説明すると、『逃走中』とはフジテレビで年に数回放送されるバラエティの特番。芸能人の参加者たちが、指定されたエリアの中で、ハンターと呼ばれる黒服&サングラスの男たちに触れられないように逃げ回り、制限時間まで逃げ切れれば賞金獲得となるゲームバラエティだ。鬼ごっこを壮大なスケールにしたものと言えばわかりやすい。別の参加者の位置をハンターに通報したら賞金アップするなど、途中で様々なミッションが用意され、そこでの人間模様を見せるのも人気の理由のひとつである。

そんな『逃走中』を映画化する場合、いくつかのパターンが思いつく。本作『逃走中 THE MOVIE』では、「一般人が参加する超大規模な『逃走中』のイベントを開催」→「途中で何者かにシステムが乗っ取られ、ハンターに捕まったら死んでしまうデスゲームになる」という、劇映画ならではのスケールアップを施した2段階の舞台設定にしていた。そして、高校では陸上部の仲間だったが卒業後の今は微妙な関係にある男5名をメインの登場人物とし、ゲームとともに彼らの物語が主軸として走っている。その大まかな構造まではいい。

 

注意:このあとの自由課金部分(払わなくてもOK)で物語内容に触れていますので、未見の方はネタバレにご注意ください。

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