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【邦画】『真夜中乙女戦争』--『ファイト・クラブ』から現実社会そのものを省く、内省的にもほどがある二宮健監督の作家性

指摘するのすら恥ずかしくなるくらい、『ファイトクラブ』である。本作『真夜中乙女戦争』を鑑賞後、改めて『ファイトクラブ』を観返してみたのだが、オマージュなんてレベルでは済まされない露骨な真似事が多くて驚いた。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『POP!』『明け方の若者たち』『静謐と夕暮』『ポプラン』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『コンフィデンスマンJP 英雄編』感想レビュー--昨今の没入感至上主義に対するアンチテーゼなのかもしれない

いつの間にやら、我々の住むこの世界は没入感至上主義となってしまったらしい。今や、映画の価値は没入感があるかどうかで決められてしまう。そんなに偉いのか、没入感。

【TV】『ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅』2021/1/3---藤原紀香が「テレ東の旅番組の女性ゲスト」のポジションにすんなり納まる驚き

TV

『ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅』は、スマホを使用せずに公共交通機関だけで旅を行う番組である。太川陽介率いる路線バスチームと、村井美樹率いる鉄道チームが、それぞれ指定された交通機関のみで、指定されたチェックポイントを巡ってゴールを目指す対…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『スパゲティコード・ラブ』『彼女が好きなものは』『成れの果て』『フラ・フラダンス』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『決戦は日曜日』感想レビュー--「凝り固まった現状の体制」に抗う無意味さこそが、最大のリアリズムである

坂下雄一郎監督作品を初めて観たのは、大学院の修了作品でもある『神奈川大学映像学科研究室』だった。学生の自主制作にしては自意識の発露みたいな側面は抑えめで、あくまで観客を楽しませようとする意図が強いのが珍しいと当時は思った。

【邦画】『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』感想レビュー--ネット上の誹謗中傷やマスコミの執拗な取材攻撃を"自然災害"のように扱っていいのか

木村ひさし監督は、堤幸彦監督の弟子筋と思われる。本筋とは無関係な小ネタや楽屋オチや役者のコミカルな動きやセリフなどを大量にテンポよく入れることで作品をきわめて虚構的な空間にする、堤幸彦イズムをほぼ完璧に受け継いだ作風が特徴だ。

【TV】『ビートたけしの公開!お笑いオーディション』2021/12/26---「衰えていくビートたけし」はエンタメ足りえるか

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若手の芸を「日本お笑い界の最重要人物」(番組冒頭のナレーションより)が寸評するのだが、この番組で痛感するのは、たけしの衰えばかりなのである。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『由宇子の天秤』『映画 すみっコぐらし』『ボクたちはみんな大人になれなかった』『自宅警備員と家事妖精』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『エッシャー通りの赤いポスト』感想レビュー--園子温監督による「既存システム」への破壊衝動は、本当に破壊なのか

園子温監督久しぶりのインディーズ映画にして、初の本格的なワークショップ映画でもある。園監督作品の大きな特徴としては、東日本大震災をきっかけに露骨になった反体制の精神と、それゆえの「既存システム」に対する破壊衝動が挙げられる。

【TV】『M-1グランプリ2021』---やたら相槌の多い上戸彩が気にならない理由

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上戸彩って何だろう。いや、わざわざ疑問にするようでもないのは承知の上だが、それでも問いたい。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『おもいで写眞』『BLUE/ブルー』『猿楽町で会いましょう』

映画館で観逃していた今年の邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『私はいったい、何と闘っているのか』感想レビュー--誰かの自分勝手な承認欲求が、他の誰かを救うこともある

骨格がきちんとしているからこそ、細部の詰めの甘さが気になってしまうのがもったいない。たとえば、主人公の一人称が「俺」なのにタイトルが「私」なのは、なぜ揃えられなかったのか。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『劇場版 ソードアート・オンライン』『愛のまなざしを』『聖地X』『宮田バスターズ(株)大長編』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『あなたの番です 劇場版』ネタバレ感想レビュー--パラレルワールド設定を壊さないために登場人物たちが壊されていく狂気に満ち溢れた世界

TVドラマの劇場版には、構造上どうしても生じる問題がある。通常はTVドラマの最終回の続きを描くのが主なので、すでに物語が終了した段階から話を始めなければいけないのだ。

【TV】フジテレビ『ものまね王座決定戦』2021/12/3放送--ミラクルひかるが、"あの頃"の『ものまね王座』の精神を語り継いでいる

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ふと、昔の『ものまね王座決定戦』を懐かしく思い出す時がある。個人的には、90年代前半のコロッケが抜けるちょっと前あたりが記憶に残る。

【邦画】『吾輩は猫である!』感想レビュー--武田梨奈のアクションだけが異次元だった

地下格闘家の美那(演:武田梨奈)は、対戦相手を半殺しにしてしまい、2週間の留置場生活を送っていた。外で待っていたライバルのアンナ(演:芋生悠)に殴られる美那。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『そして、バトンは渡された』『愛のくだらない』『半狂乱』『ずっと独身でいるつもり?』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『幕が下りたら会いましょう』ネタバレ感想レビュー--松井玲奈の顔が体現する「死者のような生者」が、本当の生者となるまで

相手が死者であるゆえ通常の方法では修復できない関係性を、別の方法によって折り合いをつけるパターンの話である。この構造自体は別に珍しいものではないが、何度も言っている通り、ベタが悪いわけではない。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『燃えよ剣』『ひらいて』『アイの歌声を聴かせて』『カウンセラー』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『恋する寄生虫』感想レビュー--この寄生虫の生態、無理がありすぎじゃないか?

映画はまず、2人の登場人物の紹介から始まる。自宅アパートでコンピューターウィルスの作成に励んでいる青年・高坂賢吾(演:林遣都)は、極度の潔癖症。他者に触れられるとそこから自分の皮膚が赤黒く染まっていくような描写によって、精神的な病である高…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『光を追いかけて』『最強殺し屋伝説国岡 完全版』『かそけきサンカヨウ』『劇場版 ルパンの娘』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『プリテンダーズ』感想レビュー--カメラが捉えることに成功した"世界"は、とても無慈悲な姿だった

映画は高校の入学式のシーンから始まる。「前ならえ!」の指示に従わずあらぬ方向に手を広げたり突然歌い出す新入生・花田花梨(演:小野花梨)。教師(演:津田寛治)は、花梨を含む10名ほどを体育館に居残りさせて、何度も「前ならえ!」をさせるが、花梨…

【邦画】『総理の夫』感想レビュー--田中圭の無邪気さを何でも解決する万能薬のように扱うのは危険な風潮である

予告編にもある序盤のシーン。空港から降り立った、大きなリュックを背負って無精ひげ姿の相馬日和(演:田中圭)を記者やTVクルーが取り囲む。

【邦画】『科捜研の女 劇場版』感想レビュー--事件鑑定におけるリアリティへの異常なこだわりと、沢口靖子による非リアリティなラブコメ要素が合わさって、未曽有のミステリが誕生

普段あまり映画館で観るタイプの作品ではないので、なんだか新鮮であった。いや、ヒットしたTVドラマの劇場版なんて腐るほどあるし、それなりの数を観ている自負はあるのだが、どうもそれらとは感触が違うのである。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『サイダーのように言葉が沸き上がる』『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』『ベイビーわるきゅーれ』『サマーフィルムにのって』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『かぐや様は告らせたい ファイナル』『子供はわかってあげない』『ドライブ・マイ・カー』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『都会のトム&ソーヤ』ネタバレあり感想レビュー--「伏線のようでいて、別に何とも繋がらない事象」が大量発生していて混乱を極めている

どうしよう。話が難解すぎて意味が解らない。原作は児童文学小説の人気シリーズと聞いていたが、疑いたくなってくるレベル。いや、話の骨格自体は、中学生の小さな冒険譚という単純なもののはずなのだ。だがそこに、いちいち挙げていったらキリがないほどの…

【邦画/ドキュ】『パンケーキを毒見する』ネタバレあり感想レビュー--自分の存在をスクリーンに映す覚悟も責任も無いなら自己主張をするためだけの映画なんて作るなよ

菅義偉を題材にドキュメンタリー映画を撮るならば、その狂気の源が、現在の日本政治の構造的な問題か、あるいは菅義偉という人間性に理由があるのか、そこを追究していると誰もが思うだろう。

【邦画/ドキュ】『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』感想レビュー--引っ越しを余儀なくされる住民の戸惑いは、今まさに行われている東京オリンピックに我々が抱く戸惑いと同じなのだ

都営霞ヶ丘アパートの知名度は、どれくらいあるのだろうか。2020年(後に1年延期)の東京オリンピックのために国立競技場の建て替えが行われた際、邪魔だからと取り壊されたアパートである。国立競技場の設計案がザハ・ハディドから隈研吾へと二転三転する中…