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【邦画】『THE LEGEND & BUTTERFLY』感想レビュー--信長の半生とラブロマンスという2つの「王道」を組み合わせるテクニック

『THE LEGEND & BUTTERFLY』だが、極めて真っ当なラブロマンスを描いていて驚いた。良く言えば王道、悪く言えば保守的で挑戦していないとも言える。

【邦画】『グッドバイ、バッドマガジンズ』感想レビュー--ひとりでも誰かの価値観を変える力があるのなら、それはまだ「文化」である

時は2018年4月。大好きなカルチャー雑誌を発行している出版社に晴れて新卒入社した詩織(演:杏花)。しかし配属されたのは男性向け成人雑誌の編集部であった。

【邦画】最近観た邦画レビュー--『THE FIRST SLAMDUNK』『ケイコ 目を澄ませて』『かがみの孤城』

最近観た邦画3作のレビューです

【邦画】『ひみつのなっちゃん。』感想レビュー--劇中の世界から偏見を排除したせいで、作り手による偏見が露わになる

きらびやかな衣装のドラァグクイーンがライトを浴びて華麗に踊るシーンから、この映画は始まる。だが、画面はすぐにマンションの一室に切り替わり、先ほどの映像はドラァグクイーンのバージン(演:滝藤賢一)の脳内だと判明する。

【小説】最近読んだミステリレビュー--『爆弾』『方舟』『名探偵のいけにえ』『名探偵に甘美なる死を』

最近読んだミステリ小説4作のレビューです

【邦画】『REVOLUTION+1』感想レビュー--この映画についてのみ、山上徹也容疑者は足立正生監督の内輪ノリに利用された被害者である

まず大前提として、本作『REVOLUTION+1』が撮られた一番の目的は、山上徹也容疑者による安倍晋三元首相の銃撃事件の映画を制作して上映するという既成事実のためである。

【邦画】『ブラックナイトパレード』感想レビュー--福田雄一の辞書に「辻褄」の文字は無い

うん、福田雄一にしてはプロットがちゃんとしている。それは原作のプロットをそのままなぞっているからなのだが。原作では登場人物それぞれに大きな秘密を抱えており、序盤から大量の伏線が張られているのだが、映画ではほぼ全てを省略している。

【邦画】最近観た邦画レビュー--『あなたの微笑み』『メイヘムガールズ』

最近観た邦画2作のレビューです

【邦画】最近観た邦画レビュー--『すずめの戸締まり』『ある男』『母性』

最近観た邦画3作のレビューです

【邦画】『宮松と山下』感想レビュー--何物にもなりたがらない役柄は、本来なら香川照之の解放になっていたかもしれないのだが

映画『宮松と山下』は、屋根瓦を様々な角度から映した何やら重厚そうな連続カットから始まり、そのまま時代劇の一場面へと推移する。侍らしき主人公が町中を走りながら追手の成らず者を斬り倒す大立ち回りが繰り返されるが、突如として主人公が走り去っても…

【邦画】『炎上シンデレラ』感想レビュー--「思考は現実化する」その先に現れる取っ散らかった歪な世界

新進女優のみつほ(演:田中芽衣)は、主演映画の撮影中に大麻パーティーの参加というスキャンダルが発覚し、降板して芸能事務所も辞めてしまう。その映画でメイキング撮影を担当していた田代(演:飯島寛騎)は、1年後にたまたまみつほと再会する。

【邦画】『窓辺にて』感想レビュー--「他人事」と「自分事」の切り替えから感じる今泉力哉監督の態度表明

今泉作品において技巧面での真価が発揮されるのは、室内シーンでの固定カメラによるアングルの妙においてである。無数の直線で構成された空間の中に、2人ないし3人の人物が配置され、ワンカット長回しの会話劇が繰り広げられる。

【邦画】最近観た邦画レビュー--『劇場版SAO プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ』『貞子DX』『天間荘の三姉妹』『グランギニョール』

最近観た邦画4作のレビューです

【邦画】最近観た邦画レビュー--『もっと超越した所へ。』『いつか、いつも……いつまでも。』『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』『ぼくらのよあけ』

最近観た邦画4作のレビューです

【邦画】最近観た邦画レビュー--『"それ"がいる森』『四畳半タイムマシンブルース』『七人の秘書 THE MOVIE』

最近観た邦画3作のレビューです

【邦画】『線は、僕を描く』感想レビュー--まっとうな青春物語と水墨画とは何ぞやという芸術論が並行する傑作だが、同時に味気なさもある

青山霜介(演:横浜流星)は、何に対しても興味を持てず、法学部だが弁護士にも「なれない」ではなく「ならない」という空っぽな大学生。とある水墨画イベントの設営アルバイトに駆り出され、控室で弁当を食べようとしていると、謎のお爺さんから声をかけら…

【邦画】『カラダ探し』感想レビュー--青春キラキラ映画は多ジャンルに擬態して生き残りを図るが、しかしこのラストでは・・・

高校生の森崎明日香(演:橋本環奈)は、学校ではクラス中からハブられ、いつもぼっち。とある火曜日もいつもと同じ日常をひとりで過ごしたが、自宅のベットに入り夜12時になった途端に、学校横の閉鎖された礼拝堂に転移させられてしまう。

【邦画】『マイ・ブロークン・マリコ』感想レビュー--原作に忠実にしようとする意識が必ずしも好転するとは限らない

ブラック企業に勤めるシイノ(演:永野芽衣)は、子供時代からの親友・マリコ(演:奈緒)が自殺したとニュースで知る。父親から虐待されていたのを知っていたのに助けられなかったマリコは、今度こそはとマリコの実家に突入して両親から遺骨を奪い、マリコ…

【邦画】『犬も食わねどチャーリーは笑う』感想レビュー--香取慎吾は「映画の枠に収められない」最後のTVスター

田村裕次郎(演:香取慎吾)と日和(演:岸井ゆきの)という夫婦が主人公。表面上は仲睦まじく理想の夫婦に見えるが、実は日和はネットサイト「旦那デスノート」に裕次郎への愚痴を延々と書き込んでおり、良き旦那のつもりだった裕次郎はそれを知ってしまい…

【邦画】『よだかの片想い』感想レビュー--物語化によって他者を理解しようとするのは不毛なときもある

大学院生で研究一筋のアイコ(演:松井玲奈)には、生まれつき顔の左側に大きな痣がある。そんな折、友人の編集者から頼まれて取材を受け、表紙に顔写真が掲載されたルポルタージュ本が話題となる。

【邦画】『さかなのこ』感想レビュー--世界は不条理であると認識するのが、さかなクンになるための第一歩である

本作における世界は論理的な調和の形成が放棄され、不条理な空間で満ち溢れている。小学生のみー坊が訪れる砂浜は、子供たちが波打ち際で遊ぶような海水浴場なのだが、そのすぐ横で釣り人が釣竿を垂らしている。現実にはあり得ない謎の状況に面食らう。

【邦画】『異動辞令は音楽隊!』感想レビュー--「少しだけ規格外」の役者・阿部寛が埋没する新たな空間

阿部寛の役者としての特性は、「少しだけ規格外」の存在感にある。少しだけ平均的な日本人の体格から外れ、少しだけ平均的な日本人より彫りの深い濃い顔で、少しだけ声が低く圧があり、少しだけ演技が臭くオーバーである。

【邦画】『バイオレンスアクション』感想レビュー--不安定なリアリティラインは、むしろ今の世界では真っ当なリアルなのかもしれない

とにかく気になるのが、いわゆるリアリティラインの不安定さである。屈強な男たちに囲まれた橋本環奈がすばしっこく飛び回り華麗な銃捌きで翻弄するガール・アクションなのだが、その肝心のアクション部分でリアリティラインが最も不安定になってしまってい…

【邦画】『野球部に花束を』感想レビュー--「あるある」って、ただありがちなことを言うだけじゃ"芸"にはならないのだな

物語と呼べるほどの展開は存在しない。劇映画なのかどうかすら悩むほど。強いてカテゴライズすれば日常系かな。『らき☆すた』と同じジャンルかもしれない。

【邦画】『コンビニエンス・ストーリー』感想レビュー--三木聡監督の新たなる挑戦は素直に嬉しいが、遅すぎるという感も否めない

三木聡監督の新たなる挑戦と言い切っていい。何より、これまでの三木作品では主目的としていた、笑わせるタイプのギャグが非常に少ない。しかも、三木作品の常連でありギャグ担当の岩松了やふせえりは、メインストーリーからは完全に切り離されている。

【邦画】『今夜、世界からこの恋が消えても』ネタバレ感想レビュー--純愛とホラーは紙一重であるという、またいつもの結論

若者の恋愛模様にSF的な要素を加えて化学反応を与え、新しい発見ができないか試みる。三木孝浩監督作品に多い、まあいつものパターンである。

【邦画】『ゴーストブック おばけずかん』ネタバレ感想レビュー--ハリウッド大作と肩を並べるほどのVFXを台無しにしている要素

VFXによる映像の迫力と密度は、ハリウッド大作にも引けを取らない。日常の風景が無秩序に崩壊して再構築していく映像では最高峰であるMCUのマルチバース描写やクリストファー・ノーラン作品と並べても、とりあえずは恥ずかしくない程度のレベルだ。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『神は見返りを求める』『メタモルフォーゼの縁側』『恋は光』『ALIVEHOON アライブフーン』

2022年6月に観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『モエカレはオレンジ色』ネタバレ感想レビュー--トラブルを極力排除した平穏な恋愛模様が嘱望されているのかもしれない

予告映像を最初に観た時に思ったのが、はたして生見愛瑠(めるる)に女子高校生の役はできるのかという疑問であった。もっとも、めるるの実年齢は20歳(※ 公開日時点)なので、別に高校3年生を演じるのには不自然ではない。

【邦画】『東京2020 オリンピック Side:B』ネタバレ感想レビュー--日本を国家というシステムから解放してしまう河瀨直美監督の狂気

待ちに待った「Side:B」を公開日に観に行ったところ、たしかにそこには河瀨直美監督による作家性で充満していた。それもリーフェンシュタールなんて比較にならないほどの狂気に満ちた作家性が。