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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】vol.4 岐阜編(前編)--「シネックス マーゴ」のロビーの明るく開放的な空間は、あまりほかでは味わえない

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長良川鉄道

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東京都杉並区の自宅を午前5時半に出て、丸ノ内線→銀座線→東海道新幹線→高山本線→長良川鉄道と乗り継ぐ。刃物会館前駅という、小さなホームと庇つきのベンチがあるだけの無人駅に降り立ったのは午前10時過ぎ。30分あれば自宅から新宿バルト9に行けるにも関わらず、『ちはやふる 上の句』を観るために4時間以上かけて岐阜県関市まで来ているわけである。どうだ、この大いなる時間と金の無駄使い。オマエが勝手にやってるんだろと言われれば返す言葉はないのだが、ここで発散するくらいいいじゃないか。

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刃物会館前駅
知らなかったのだが、駅名からも察することができるとおり、この辺は刃物の生産で有名らしい。付近を歩くと、そこらじゅうで刃物アピールしている。安全剃刀でおなじみフェザーの工場も駅のすぐ近くにあり、「フェザーミュージアム」という博物館も併設されていた。時間がなくて寄れなかったのだが、あとで公式サイトを見てみたら、けっこうネタ的に面白そうである。行けなくて、ちょっと残念だ。

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お待たせしていたらしい。

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中居くん?

さて、映画館「シネックス マーゴ」は、刃物会館駅から歩いて約30分のところにある。地方の映画館に度々行くようになると、「駅から歩いて30分」ということに何の疑問も持たなくなるな。公式サイトからプリントアウトした地図が全く役に立たなかったので、iPhoneのマップ機能を便りに、映画館までの道を歩く。公式サイトの地図に惑わされるのも、いつものことなのでなんとも思わなくなってきた。

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山沿いの道を歩いていると、シネマ館の文字が見えてきた

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超四角い

「ショッピングセンター マーゴ」の一角にある「シネックス マーゴ」は、岐阜土地興業株式会社というところが運営している。「ショッピングセンター マーゴ」は、イオンのほかに100以上の専門店が入っている4階建ての本館と、映画館とゲームセンター、さらにサイゼリヤと大戸屋が入っているシネマ館、そして「マーゴの湯」という温泉施設の計3つの建物で構成されている。マーゴがどういう意味なのかはわからない。映画館に着いてから上映開始まで約40分。「マーゴの湯」も行ってみたかったが、時間的に厳しい。なんとなく映画館内をうろついてみる。

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ちなみに、ちょうど「ふろの日」だった

朝早い時間だが、小さな子供が多い。『ドラえもん』『プリキュア』『仮面ライダー』が上映中だからさもありなん。皆さんロビーではしゃいでいるのだが、なぜかサイゼリヤには客がひとりもいない。と思ったら、11時オープンだったのか。開店と同時に家族連れがなだれ込んでいた。ちょっと開店時間を早めるだけで集客が全然違うと思うのは、素人考えだろうか。

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広々としたロビー

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売店とチケットカウンター

映画館のロビーには小さい和風の軽食店(こちらも11時OPEN)もあった。掲示物などを見ると、からあげが全国放送のTVで取り上げられたりと、それなりに有名らしい。プレミアムかりんとう饅頭というものを買って食べてみる。焼きたてということもあり、甘くて美味しい。ガワがかりんとうで中身がこし餡なので、ちょっと甘すぎるくらい。

f:id:yagan:20160327161402j:plain「おぐらあん」という店名

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プレミアムかりんとう饅頭

「シネックス マーゴ」は、全部で8スクリーンある。かなり広いロビーのちょうど真ん中あたりに簡単な仕切りがあって、そこでチケットをもぎるという仕組み。

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クレヨンしんちゃんのいるあたりで、もぎる

この空間構成は、意外と珍しいかもしれない。一番よくあるシネコンのスタイルは、チケット売り場や売店のある「お金を払う前に入れる空間」を大きく取ってあって、もぎり後は、基本的に座席までの通路のみ(往々にして、けっこう長い)というもの。つまり、チケットをもぎる前と後で空間的な断絶が行われている。それに比べて「シネックス マーゴ」は、「お金を払う前に入れる空間」と「チケットもぎり後の空間」を、簡易に仕切るだけで同一空間に収めている。また、ロビーを囲うように全てのスクリーンへの出入口を並べて配置している。

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昇れないし、昇った先にも何もない、謎の螺旋階段

そのため、チケットを買う前からロビー全体を見渡すことができ、スクリーンへの出入口も視界に入る。あの並んだ出入り口は、「ここはたしかに映画館なんだ」というワクワク感をそそるのに一役買っている(肝心の、出入口の写真を撮ってなくてゴメンナサイ)。「チケットもぎり後の空間」にもテーブルと椅子を並べていてゆったりとした雰囲気があり、また、照明が明るいことも手伝って(なんかシネコンのロビーって暗いこと多くない?)、この大空間ゆえの開放感はあまり他では味わえないものではないか。小さな子供が走り回っていても、そんなに気にならないのだし。

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照明が明るくて、ロビーのイスがくたびれているのもよくわかった

さて『ちはやふる 上の句』の開場が始まる。ちなみに全席指定席で、座席を選ぶ際はモニターではなくパウチした紙の座席表を指し示すタイプ。入ってみると他に誰もいなくて「また一人か!」と思ったが、あとから続々と客はやってきた。

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誰もいなくて、ちょっと焦った

約100席で、3~4割は埋まっていただろうか。多くが女子中学生だったのは原作が少女漫画だからだろう。彼女たちは「映画館ではうるさくしてはいけない」ということを頑なに守っていて、上映前の照明がついている時からヒソヒソ声だった。その時間は別に普通に喋っていいんだけど。女子中学生のヒソヒソ声を聞くと、自分の悪口を言われているように錯覚するのってボクだけだろうか。「なんであいつ、男一人でこの映画観てるの、キモイ」とか言われてないだろうか。ただの自意識過剰か。

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動員を気にしているのだが、スタッフが書いているんだろうか?

そして上映開始。たぶんここの近所にあるだろう歯医者とか、いろいろと他の劇場では見られないであろうCMが流れる。住宅リフォームのCMが流れたときは「ヒューマントラストシネマ渋谷」かと一瞬錯覚した。座席や設備に関してはごく普通(つまり、気になるほどの悪い点はない)だったけれど、『ちはやふる 上の句』は"音"にこだわりのある映画だったので、もっと音響の良い映画館で観たかったな、とは思った。上映後、ロビーに出るとネクタイ姿のおじさん(50~60代)がスタッフと喋っていて、ボクらに向かって「ありがとうございました」と挨拶してきた。館長だったのだろうか。

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求人、多い

さて、「マーゴの湯」も「フェザーミュージアム」も寄ってみたかったのだが、日帰りで予定が詰まっており、長良川鉄道の本数も少ないため、すぐさま刃物会館前駅へ戻る。今回の旅の一番の目的は、岐阜市内にあるので。

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映画館までの道すがら、何度かこのポスターがあった
多くは語らない

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(※ 後編へ、続く)

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