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【邦画】『Gメン』感想レビュー—とある喧嘩シーンがアクションもカメラワークも最高で、それだけで映画館で鑑賞する価値がある


監督:瑠東東一郎/脚本:加藤正人、丸尾丸一郎/原作:小沢としお
配給:東映/上映時間: 120分/公開:2023年8月25日
出演:岸優太、竜星涼、恒松祐里、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。、小野花梨、吉村界人、高良健吾、吉岡里帆、尾上松也、田中圭

 

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たしかに、粗の目立つ作品ではある。ちょっとそれはなあ、と感じるところも多い。成人どころか実年齢30オーバーを含む役者陣がヤンキー高校生の役をしている時点でコスプレ感があるし。それでも、映画『Gメン』を支持したいのは、本気で上質なエンタメを創ろうという志がたしかにあり、その成果は存分に出ているからである。そのため、多少の粗は気にならない。

先に粗の部分を指摘しておくと、高速でガチャガチャとカットを割る編集は、さすがにやり過ぎかと。特に、場面転換の際に場所も時制も異なる「前の場面」と「後の場面」のカットを高速で何度も切り返して、「その間に色々ありました」とする手法。斬新かもしれないが、どうしたって気が散ってしまう。

転換に関して、もうひとつ。シリアスな空気から急にギャグ展開に変わるのも違和感があった。それも、原作漫画が中高年男性しか読んでいない「週刊少年チャンピオン」に掲載していたからか、結構えげつないシモネタをぶっ込んできたりする。ボクが鑑賞した新宿バルト9の客席は、おそらく岸優太目当ての若い女性で埋め尽くされていたため、ちょっといたたまれなかった。

ただこれに関しては、本作のポリシーとも重なっているとは思う。本作、多分に湿っぽくならないように気をつけているのだ。そもそもがヤンキーの話なのでエピソード自体は重めだったりするのだが、会話シーンなどでシリアスな空気になってくると、くだらないギャグを突っ込んで明るくしようとする。DVを受けていた前夫から付きまとわれている女性教師(演:吉岡里帆)がいるのだが、自分は美人だと強引に認めさせたり酔うと暴れるなど陽性のキャラクターとして描かれているのも、そういう意図だろう。

では、あらすじ。高校1年生の門松勝太(演:岸優太)は、女子校に囲まれており生徒はモテモテと話題の男子高校に転校する。しかし勝太が入ったのは、全ての窓ガラスは割れており壁は落書きだらけの荒れ果てた別館に教室がある、問題児の溜まり場のG組だった。ネクタイの色により一目でG組とバレるため、他校の女生徒へのナンパもままならない。そこへ、同じ高校の男子たちにいじめられている女生徒を発見。勝太は女生徒を助けるために喧嘩を売り、なんと圧倒的な力の差でぶちのめす。

注意:このあとの自由課金部分(払わなくてもOK)で終盤の展開に触れていますので、未見の方はネタバレにご注意ください。

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