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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『ウィーアーリトルゾンビーズ』『旅のおわり世界のはじまり』『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』

6月公開の邦画3作の短評レビューです。例によって、軽くネタバレありです。

 

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『ウィーアーリトルゾンビーズ』
監督&脚本:長久允
配給:日活/上映時間:120分/公開:2019年6月14日
出演:二宮慶多、水野哲志、奥村門土、中島セナ、佐々木蔵之介、工藤夕貴、池松壮亮、初音映莉子、村上淳、西田尚美、佐野史郎、菊地凛子、永瀬正敏

58点
たまたま火葬場で出会った「両親を亡くしたけれど全く悲しくない4人の子供たち」による逃亡譚。レトロゲームをモチーフとした作り物めいた空間の中で、サイケデリックな描写が連射される。単調な刺激の繰り返しと淡々とした説明セリフからくる退屈さによって、ある種の苦痛と共に世界が虚無化していく様は、さながらマイルドな中島哲也といったところか(本作の監督もCM業界出身である)。劇中で歌われる楽曲の中毒性は非常に高い。


『旅のおわり世界のはじまり』
監督&脚本:黒沢清
配給:東京テアトル/上映時間:120分/公開:2019年6月14日
出演:前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生、アディズ・ラジャボフ

61点
ウズベキスタンでのオールロケにより、異国の地で右往左往する前田敦子の様子をひたすらカメラが捉える不思議な作品。前田敦子の異文化に対する距離感が、拒絶から徐々に縮まったり元に戻ったりを繰り返す中で、なぜか前田敦子自身は変化せずに周りの風景のほうの見え方が変わってくる。ここから読み取れるのは、コミュニケーションの大切さという普遍的なメッセージと、一見して怯えているかのような表情なのに定点にしっかりと留まり続ける前田敦子の特異な体質である。劇中で2度ほど、急にミュージカルのごとく歌いだす前田敦子の姿には、謎の迫力があり見入ってしまう。


『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』
監督:増井壮一/脚本:横谷昌宏/原作:鴨志田一/アニメーション制作:CloverWorks
配給:アニプレックス/上映時間:89分/公開:2019年6月15日
出演:石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種崎敦美、内田真礼、久保ユリカ

60点
高校生らの極めて内向きな悩みによってSF的に世界の次元が狂ってしまう「思春期症候群」を、主人公の男子高生が青臭い方法によって解決していくTVアニメの劇場版。ただし劇場版では「他人を生かすために自分が死ぬべきか」という重い悩みがテーマとなっている。そのため、全校生徒の前で告白する(TVアニメより)みたいな気恥ずかしさがあまり無く、意外と一般受けしそうな定番の話に落ち着いている。SF事象がきちんと練られていたのは好印象。

 

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