ヤガンEX

映画とか漫画とか似顔絵とか

【邦画】『女子大小路の名探偵』感想レビュー—鬼畜すぎる剛力彩芽と無能すぎる愛知県警、そして露骨に宣伝されるダイハツの車


監督:松岡達矢/脚本&原作:秦建日子
配給:ラビットハウス/上映時間:95分/公開:2023年10月13日
出演:剛力彩芽、醍醐虎汰朗、北原里英、今野浩喜、堀夏喜、小沢一敬、水野勝、寺坂頼我、柳ゆり菜、ゆきぽよ、遼河はるひ、田中要次、戸田恵子

 

スポンサードリンク
 

-----

-----

とある序盤の短いシーン。いかにも怪しげな中年男性が整備工場に車を乗り付ける。「ウィンカーが付かなくなって、予約していないけどいいかな?」と聞くと、整備員が「もちろんです。ダイハツの車に乗って頂き、ありがとうございます」と満面の笑みで対応する。そのセリフにはダイハツの宣伝以外の意味がないし、実はこのシーン自体、物語上は無くても問題ないのだ。一応その前に「殺人未遂の事件現場から車が急発進する」というシーンがあり、この中年男性が犯人だとミスリードさせる意図はあるが。ただ、それだとダイハツは事件隠蔽の片棒を担がされているような印象を与えている気もするけど。

たしかに、映画の劇中にスポンサーの宣伝が入ることは、ままある。『STAND BY  ME ドラえもん』にはTOYOTAの看板が出てくるし、あるいは地方の自治体や企業から協賛金を募って作られる小規模の映画では、観光案内のごとく地元の名所や名物が物語とは無関係にアピールされるのが常だ。だが本作『女子大小路の名探偵』におけるスポンサーへの気遣いは類を見ないほど異様で、隙あらばダイハツの車を登場させては臆面もなく絶賛している。他にも顔パックとかを、きちんと商品名がカメラに映るように手に取ったりもしているが、ここまで露骨な宣伝をしてしまうと却って企業への印象が悪くなるのではないだろうか。

これは名古屋のテレビ局「メ〜テレ」の60周年記念企画である。「メ〜テレ」はバラツキはあれど良質な映画も多く制作しており、こんなスポンサー企業にゴマスリするような恥知らずの映画とは無縁だったはずだ。こうでもしないとやっていけないのか。なんか、地方テレビ局の苦しい台所事情を感じ取ってしまった。

では、いつものようにあらすじを書いていきますが、きちんと説明できるか自信ないです。岐阜県柳ヶ瀬のナンバーワン(ってチラシに書いてある)ホステス・美桜(演:剛力彩芽)は、その日も常連客の弁護士・望月(演:今野浩喜)に言い寄られていた。望月はスポーツカーを購入したらしく美桜をドライブに誘うも、美桜からは低燃費でABS搭載の庶民的な車が好みだと言われる。それを聞いて急に「ちょっと待ってて」と店を出る望月。しかし美桜、塩対応のレベルを超えて不快感を態度に出しすぎなので、なんでナンバーワンのホステスになれたのか不思議。望月が店を出た直後、警察から美桜宛に電話がかかってくる。2年間も音信不通だった弟の大夏(演:醍醐虎太郎)が、公園で倒れている女子高校生を発見して通報したのだが、警察からは犯人ではないかと疑われているという。

名古屋では数日前にも女子高校生の遺体が見つかっており、愛知県警では同一人物の犯行ではないかとして捜査中である。大夏が発見した女子高校生・佐野あすかは、一命はとりとめたものの意識不明のままで予断を許さない状況。そんなあすか、自分のスマホとは別にプリペイド携帯を持っており、その番号登録には「ヤマモト」という1件しか入っていない。しかもなんと、大夏のスマホにも「ヤマモト」という同じ番号の登録が。これは犯人に違いないと、大夏を長時間拘束して執拗に尋問する刑事2名。

注意:このあとの自由課金部分(払わなくてもOK)で終盤の展開に触れていますので、未見の方はネタバレにご注意ください。

この続きはcodocで購入