最近観た邦画３作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。
スポンサードリンク
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ：ライジング』
監督：長崎健司／脚本：黒田洋介／原作：堀越耕平／アニメーション制作：ボンズ
配給：東宝／上映時間：104分／公開：2019年12月20日
出演：山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、黒沢ともよ、寺崎裕香、井上芳雄、今田美桜、武内駿輔、鳥海浩輔
５８点
連絡網の閉ざされた孤立された舞台で、本筋から枝分かれした初出の敵キャラクターを用意したうえで、クラスメイト全員に見せ場を作っている。前作の劇場版から更に、あくまで既存ファンへのサービスを徹底させる方向でアップデートしていて、高校生らしい青臭さを含めて爽快ではある。原作漫画の最終回のボツ案（真意不明）と噂されているラストの展開については、ここでそんな重大なことやっちゃっていいのかと、不安にはなるが。
-----
『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』
監督＆脚本：片淵素直／原作：こうの史代／アニメーション制作：MAPPA
配給：東京テアトル／上映時間：168分／公開：2019年12月20日
出演：のん、北條周作、尾身美詞、稲葉菜月、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、花澤香菜、渋谷天外、京田尚子、世弥きくよ、たちばなことね、瀬田ひろ美、小山剛志、津田真澄
７７点
2017年の傑作アニメ映画に約30分ほど付け足したうえで全体をブラッシュアップしたために、物語に別の方向性が加味し、更なる深みが加わっている。前作（という表現でいいのか解らないが）では仄めかす程度であった箇所を本作によって断定することで、各人の物語が同時並行的に重なり合い、この世界の片隅に"さらにいくつもの"人生があるという当然の理を訴えてくる。このような壮大なメッセージの前では、小さな人間関係が絡み合う御都合主義など些末なことだ。
-----
『みぽりん』
監督＆脚本：松本大樹
配給：CROCO／上映時間：108分／公開：2019年12月21日
出演：垣尾麻美、津田晴香、井上裕基、近藤知史、合田温子、mayu、木野智香、吉田洋子、篁怜、松村厚、露木一矢、幟建由佳、幟建泰造、野口奈美、牟田千恵、神馬友子、高澤美奈、温水彩夏、石橋大治、キテン館主、神田悠、まおち、前田智広、桜島大樹
５５点
猟奇性を帯びた人物と山奥で２人きりになるホラーテイストではあるが、繰り返されるのは「アイドルとは何であるか」という問題提起ばかり。しかもその中身は定番のものばかりで新鮮味はなく、映画ひとつ作ってまで主張するほどではないような。物語が粗だらけなのは目を瞑るとしても、いかにもなホラー要素を雰囲気のためだけに統一感なく乱打したまま放ったらかしにするのは頂けない。
-----
スポンサードリンク
