なぜだ。『ガールズ&パンツァー 劇場版』のブルーレイが発売初週で16万枚も売り上げたというのに、特典OVAの話をしている人がほとんどいない。おかしいではないか。16万人も観ている作品がここまで封殺されているのは、何者かの陰謀なのか。触れてはいけない何かがあるのか。そんな闇の力が渦巻く日本だが、ここはタブーを破って特典OVA『愛里寿・ウォー』について書きたいと思います。(まあ、検索したら普通に感想とか論評とかあったけど、そこは気づかなかったことにします)
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さて、ここ最近は仕事から帰ったらまずTVの前に陣取って『ガールズ&パンツァー 劇場版』のブルーレイを再生するという日々が続いている。非常に健全な毎日を送っているわけだが、そのおかげで大洗連合vs大学選抜の試合の流れもソラで言えるくらいにはなった。また同時に、最初に観たときにこの試合の流れがうまく掴めなかった理由もわかってきた。
というのもこの試合、大学選抜チーム側の事前情報が非常に少ない。この劇場版は初登場のキャラクターも多いのだが、大洗連合側の初登場キャラクター(知波単学園と継続高校の面々、プラウダ高校のクラーラ、サンダース大付属のローズヒップ)は短い時間の中でもキャラの作り込みがなされ、それぞれ魅力が引き出されている。一方、大学選抜の中隊長(メグミ、アズミ、ルミ)についての事前情報は皆無に等しい。情報が無いのなら大洗連合の視点のみにして相手を「顔の見えない敵」みたいな不気味な存在にする手もあったと思う。しかしその手法は取り入れられず、すでにちゃんとした性格設定が浸透している前提で試合中にやたら自己主張してくる。あの中隊長の3人は余裕ある発言ばっかりしているもんだから、特にルミなんかただの嫌な性格のヤツみたいになっている。
しかも中隊長のみならず、名前すらわからない人たちもけっこう喋る。「えー何? 履帯なしなのに」も「豆戦車をブッ潰せ~」も、誰も知らないキャラクターによる発言だ。2つ目のほうに至っては、発言者の顔すらわからない。こちとら声だけで主が誰かを特定できる特殊能力はないため、「え、今喋ったの誰?」と感じる瞬間が(初見では)何度もある。こういった大学選抜の自己主張が、各シーンは興奮するにもかかわらず試合全体が把握しづらい原因だと思う。
と、ここまできてやっとOVA『愛里寿・ウォー』の話に入る。大学選抜チームのキャラの作り込みが乏しいという点では、隊長である島田愛里寿も例外ではない。ボコ・ミュージアムでの西住みほたちとの出会いも「謎の少女」感を出すほうがメインとなっているし。そんなわけで、特典OVA『愛里寿・ウォー』に大きく期待してしまっても仕方あるまい。本編では大きく触れられなかった島田愛里寿というキャラクターを特典OVAによって深く掘り下げることによって、大洗連合vs大学選抜の試合がさらに魅力的になるのではないかと。
で、『愛里寿・ウォー』の内容なのだが、島田愛里寿が大洗女子学園に転校するかもしれないということで学内を見学するという話である。あんこうチームはじめ各チームの人たち(+なぜかアンツィオ高校)とちょっとしたやりとりの中で島田愛里寿についてわかることは、テンションが低く恥ずかしがりといったことくらい。本編でもそのへんは充分に判断できるので、島田愛里寿の新しい一面とかは特に無かったと言っていい。西住みほとの関係性も「まあ、そうだろう」って感じだし。
これから先『ガルパン』の物語が続いていくなかで、島田愛里寿はどう転がしていけばいいのか。コミカルにしづらいタイプだからなあ。『愛里寿・ウォー』では、大洗のどのキャラクターとのやりとりも妙な温度差が発生していて、ちょっとヒヤヒヤしたし。既存のどのキャラクターとの組み合わせを想像してみても、なんかしっくりこない。なかなか難しい。
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いやでも毎日観ても飽きない。今のところ。
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最初に『ガルパン 劇場版』を観たあと、興奮したまま書いた記事