富山ブラックを注文したらレンゲが無かったのだが、
店のこだわりなのか、それとも店員が忘れていただけなのか
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富山編の前編は、こちら
さて前回の続きから。なんとか富山駅にたどり着いたのが午後2時40分くらい。ここから歩いて「フォルツァ総曲輪」というコミュニティシネマに向かい、3時05分からの『アンジェリカの微笑み』を観る。
「フォルツァ総曲輪」は、富山駅南口から大通りを進み、富山城址を少し過ぎたくらいにあるアーケード街の中にある。時間が厳しいので小走りで向かったのだが、たぶん普通に歩いても20分くらいで着くと思う。
アーケード街にある映画館ということで、吉祥寺バウスシアターを思い出した
この写真だと閑散とした印象を抱きがちだが、けっこう大きなショッピングビルも隣接していて、都市部の一角としてそれなりに栄えていた。用事のついでに訪れやすいところで、映画館としての立地は悪くないのでは。
フォルツァ総曲輪の入っている建物
地域のふれあいがモットーとか言ってそうな、コミュニティ感が半端ない建物の4階に「フォルツァ総曲輪」はある。コミュニティ感ってなんだって話だが、これ以上に「フォルツァ総曲輪」を言い表せる言葉は見つからない。ちなみに「フォルツァ総曲輪」を運営しているのは「株式会社まちづくりとやま」というところだ。コミュニティ感!
床にある矢印に沿って進む
チケットカウンター
なんとなく産婦人科のような雰囲気(行ったことないけど)
チケットカウンターにて『アンジェリカの微笑み』のチケットを買う。一般1600円と少し安い。5回鑑賞すると1回無料になるポイントカードを勧められたが、丁重にお断りする。富山に転勤でもない限り、これからの人生においてここで5回も映画を観るとはとても思えない。
コミュニティ感あふれるロビー
富山のタウン誌などが並んでいた
「フォルツァ総曲輪」のスクリーンは1つで、3~4作品を1日1回づつ上映しているスタイルのようだ。この日上映していたのは『恋人たち』『ベトナムの風に吹かれて』『アンジェリカの微笑み』『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』の4作。東京に住んでいればその辺のミニシアターにふらっと行って観ることのできる作品だが、ほかにはシネコンしかない富山では貴重なラインナップだろう。今後の上映作品には『ヤクザと憲法』などもあった。「フォルツァ総曲輪」があるおかげで、映画中毒者でも富山ならギリギリ生きていけるはず。
映画情報に特化したコーナー
けっこうツウ好みの書籍が置いてある
大量のパンフレット
ロビーとは別の一角に、映画関係の書籍を並べた本棚などがあるコーナーがあった。この空間は、映画を好きな人達のために、微力なのは分かっているけれども自分たちができる限りのことはやる、という心意気を感じた。書籍のセンスは大衆ウケを狙わず、ごく少数の映画マニアに向けている。あと、膨大な量のパンフレットは、ちょっと驚いた。300円の値札とか付いていたが、売り物なのか?
座席は、ど真ん中に通路があるタイプ
オリヴェイラ監督の遺作『アンジェリカの微笑み』を観に来ていた客は10人ほどで、全員揃って一人客だった。設備については、正直に言うとそんなに良くはない。しかしここで、座席の背もたれは低いとか、空調の音が大きいとか、スクリーンの真下に足元灯が光っていて鑑賞中に気になるとか、そんな文句を言っても仕方ない。言ったところで改善できるようなことでもないし。ボクは映画館に快適さなんて要らないという立場だし、それより富山で『アンジェリカの微笑み』が観られるということに素直に喜ぶべきだ。
女子トイレの前にはオードリー
未確認情報だが、富山県は人口に対する映画館だかスクリーンだかの数が全国で一番少ないらしい。そんな中で、ターミナル駅からほど近い商店街の中に、シネコンではかからないような作品を上映してくれる映画館が存在しているのは素直に嬉しい。しかも、子供からお年寄りまでみたいな全方向的な媚の売り方はせず、日陰者であるごく少数の映画マニアに向かって救いの手を差し伸べる「フォルツァ総曲輪」の映画愛たるや。これこそ真のコミュニティ感だ。
(※ うまく文章がまとまらなくて、強引に締めてます)
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こんなところにもガルパン旋風が!
と一瞬思ったが、よく見たら丸めたカーペットだった
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過去記事
vol2 奈良編
vol1 茨城編