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【企画上映】「未体験ゾーンの映画たち2016」レビュー vol.2--『デス・ノート』『パラドクス』『ブレイキング・ゴッド』

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「未体験ゾーンの映画たち2016」のレビュー第2弾です。早く仕事が終わったときなど、ちょっと時間が空いた時に観に行っている感じなので、なかなか鑑賞本数が増えないのですが。

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『デス・ノート』
監督:ブライアン・オマリー
配給:AMGエンタテイメント/製作国:イギリス,アイルランド/上映時間:92分 

56点
とりあえずこの邦題は、よろしくない(原題は「LET US PREY」)。安易に既存の有名作品を連想させる(しかもパロディにすらなっていない)邦題は、観客を遠ざけるだけだと思うが。内容は、小さな街の警察署内に"悪魔"的な存在がやってくることで、何かしらの罪を犯した人々が、因果応報とばかりに血みどろの惨劇に見舞われる。おそらくキリスト教の教えに忠実な作りなのだろうが、その辺りに無知な者からするとどうしても喜劇に見えてしまうのは、いつものことか。

デッド・ノート [DVD]

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 ※ ソフトでは更にタイトル変わってた。まあ、それがいいでしょう。

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『パラドクス』
監督:イサーク・エスバン
配給:AMGエンタテイメント/製作国:メキシコ/上映時間:100分

71点
個人的には「未体験ゾーン」の暫定1位の作品。屋内の非常階段に閉じ込められた2人の兄弟と彼らを追っていた警官。出入口は開かないし、階段を上がっていくとなぜか一番下に着いてしまうループ状の空間になっている。そしてなぜか1日経つと、自販機の飲食物や持っていたリュックの中身などが増えている。まずはこの閉鎖空間でどうやって生きていくかの描写が面白い。かと思うといきなり別の家族たちによる別の話が始まって(もちろんループ空間)、これまたうんざりする(褒めてます)ような絶望的な描写の連続に引き込まれる。2つの話がつながる哲学的なオチもまあまあだが、なにより実際は100分の作品なのに得られる体感時間が何倍にも感じてしまう問題作。

パラドクス [DVD]

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『ブレイキング・ゴッド』
監督:トニー・マオニー
配給:ゴンゾ/製作国:オーストラリア/上映時間:103分

68点
主人公を始めとした役者陣の顔が素晴らしい。気弱で優柔不断なためにヘロインを体内に飲み込んで運び屋をやらされた男が税関で疑われ、ホテルに監禁されて刑事たちの監視のもと、ひたすら脱糞を我慢する。いろんな方向性のクズに囲まれる中、生まれて初めて自分の判断で敵と味方を選別して、人生初の勝ち星をあげようと奮闘する。その行為は、ひたすらバカバカしいのにスリリングで、ラストには清々しささえ感じる。冒頭で「実話に基づく」って出てたけど、本当かね。『マトリックス』シリーズのエージェント・スミス役でおなじみのヒューゴ・ウィーヴィングも出演している。すっかりおじさんになっていた。

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 過去レビュー

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