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【邦画監督】平山秀幸監督作品レビュー--持ち前の「暗さ」で文芸大作を重厚そうに映画化する職人監督

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平山 秀幸
(ひらやま・ひでゆき)
1950年9月18日 福岡県出身

ホラー、時代劇、戦争ものなど、様々なジャンルを手掛ける職人監督であるが、どのような内容であっても必ず「暗さ」がついて回る。その拭い切れない「暗さ」によって、さも社会的メッセージを含んだ重厚な作品であるかのように見せかける技量には長けている。その特質からか、文芸大作の実写化に多く起用されるが、原作の物語を整理して軸を絞るようなことをせず、まとまりのないまま提供していることが多い。

 

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『学校の怪談』
監督:平山秀幸/脚本:奥寺佐渡子/原作:常光徹、日本民話の会
配給:東宝/上映時間:100分/公開:1995年7月8日
出演:遠山真澄、米澤史織、熱田一、塚田純一郎、町田昇平、岡本綾、野村宏伸、佐藤正宏

58点
のちにシリーズ化される大ヒット作品で、平山監督にとっても出世作といえる。ホラーというよりは、キャラクター性の強いオバケ(でもないんだけど)の姿かたちを楽しむことを前提とした、小学生向けの娯楽作品。後半に出てくるクリーチャーも、本気で造形しており、メインのターゲット層ならばキャーキャー言いながら面白がるであろう。旧校舎の雰囲気を含めて、全体的に美術のレベルが高い。ただ、この作品ですでに、要素が多すぎて物語がとっ散らかる平山監督の悪癖が発生している。

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『OUT』
監督:平山秀幸/脚本:鄭義信/原作:桐野夏生
配給:FOX/上映時間:119分/公開:2002年10月19日
出演:原田美枝子、倍賞美津子、室井滋、西田尚美、大森南朋、香川照之、間寛平、千石規子、小木茂光、吉田日出子

52点
桐野夏生の代表作であるミステリ小説を映画化。弁当屋で働く4人の女が、自宅の風呂場で死体を解体することで、窮屈な日常から積極的に逸脱していく(あ、これ、まんま『メランコリック』だな)。つまり彼女たちのしていることと日常描写との距離感がポイントのはずだが、各シーンが乱雑に並べてあるだけなので、彼女たちの活力を肌で感じ取るまでには至らない。それ以前に、あまりにも説明不足ゆえ、そもそも状況を瞬時に理解するのが難しい。原作では重要なキャラクターであるはずの男性陣の扱いが雑で、そんな適当にフェイドアウトさせなくてもと思うことがしばしば。

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『レディ・ジョーカー』
監督:平山秀幸/脚本:鄭義信/原作:高村薫
配給:東映/上映時間:121分/公開:2004年12月11日
出演:渡哲也、徳重聡、吉川晃司、國村隼、大杉漣、吹越満、加藤晴彦、菅野美穂、岸部一徳、長塚京三、清水紘治、辰巳琢郎

56点
高村薫の小説を映画化。大手ビール会社の社長誘拐と脅迫事件における群像劇だが、主演であるはずの渡哲也ですら主軸とはならず、各々の登場人物の物語がバラバラなままで絡み合ってくれない。石原プロ協力のはずだが、逮捕劇や殺人、自殺といった物語上の要のシーンもあっさりし過ぎていて、盛り上がりに欠ける。被差別部落をはじめ、障碍者や在日朝鮮人といった"社会的マイノリティ"の要素がふんだんに登場するが、無秩序に放り込まれているだけで、単に映画に重厚さを持たせるためのトッピングとしか感じ取れない。

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