【小説】最近読んだ小説レビュー--彩藤アザミ、桐野夏生、大崎梢

彩藤アザミ『樹液少女』 65点第1回新潮ミステリー大賞受賞者の2作目。雪で閉ざされた山荘を舞台にした連続殺人事件が起こるという、正統派の本格ミステリを思わせる設定こそが、本作に巧妙に仕掛けられた罠であった。幼少期に行方不明となった主人公の妹が今どうなっているのか、最初のほうで多くの読者がある憶測を立…