日本テレビ系列
2022/01/28 放送
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『スクール革命!』は、通常は日曜日の昼間に放送されているのだが、そちらをほとんど視聴したことがないので、今回のゴールデン特番が普段と同じなのか違うのかは知らない。この特番に限って内容を説明すると、「何を作っているのでしょうか?」「誰の似顔絵を描いているのでしょうか?」などといったVTRによるクイズが出題され、解答者が正解を出すまでにかかった時間の分だけ持ち点が減っていくルール。最終的に最も多く持ち点を残したチームの勝利となる。
3名で構成されるチームが4つあり、解答者は計12名。Hey!Say!JUMP(全員ではない)、オードリー、アンタッチャブル・山崎などのレギュラーに加え、朝日奈央や生見愛瑠といった準レギュラーなどなど、バラエティ番組を手堅くこなすメンバーが揃っている。そこに映画の宣伝で藤原竜也と伊藤歩が加わっているが、この2人も慣れないバラエティに必死に参加するというスタンスで、程よく場の空気に馴染んていた。
ただこの番組、視聴していて、なぜだか不思議な感覚になった。その理由を考えると、クイズを出題しているVTRが長く、実は放送時間のほとんどを占めているのである。ここでいうクイズVTRとは、『世界ふしぎ発見!』のように、最後に「それではここでクエスチョンです」と出題されるパターンではない。VTRの流れている時間が、ずっとシンキングタイム(解答者が早押しボタンを押す時間)なのである。
番組の終盤に「ジャニーズ所属の3人に高難度のダンスを教えて、誰がどれだけ間違えずに踊れるか」というVTRがあったが、たいして長い尺では無く、その部分を除けばシンキングタイムばかり。正解発表のあとのスタジオでのやりとりも短く、淡々と次の問題に移る。一応、解答者がボタンを押すとVTRは止まるのだが、途中からは画面の隅で「誰誰、正解」と出るだけで、放送上はVTRは流れたままになる。
つまりこれ、ずっとシンキングタイムが続くので、番組内での起伏が異様に少ないのである。ずっと弛緩していたままの番組であればよくあるが、クイズのシンキングタイムである以上は視聴者も無意識に思考を始めてしまうため、番組自体は緩んでいるわけではない。さらに、実はこれがこの番組最大の特徴であるが、クイズの問題や答に「付随する情報」がほとんど無いのである。
日テレのドラマの主演である成田凌がクイズの答として登場し、宣伝を行っていたが、あとの出題はパブリシティと関係ないどころか、答を知ったからといって何か役に立つわけではないものばかりだ。色鉛筆で描いた星野源の写実的な似顔絵を見せられたところで、それが視聴者にとって今後の人生で何かの糧になるわけではない。「情報」としては価値の無いクイズが連続し、起伏の無さを更に際立たせる。
そんな凪のような番組の中に、内村光良がちょこんと座っている。内村光良の芸能人としてのランクを考えれば、凪の中に違和感なく溶け込んでいるのは不思議なことだが、そこを気付かせないところに内村光良の本領が垣間見える。内村光良の自己イメージの操作能力は、神がかっているとさえ思える。
長くなってしまったので、内村光良の件については、また日を改めて考えたい。この番組に関しては、オードリー・若林を当たり前のように斜め後ろに座らせている(最近の若林の立ち位置としては相当に珍しい)あたりに、底知れぬ恐怖を感じ取ったわけだが。
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