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【邦画】2021年1月に観た洋画感想レビュー--『新感線半島 ファイナル・ステージ』『Swallow スワロウ』『キング・オブ・シーヴス』『恋する遊園地』

2021年1月に観た洋画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

 

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『新感線半島 ファイナル・ステージ』は、韓国初のゾンビ映画『新感線 ファイナル・エクスプレス』の4年後を舞台にした続編。かつてゾンビ・パニックとなった韓国から台湾に避難してきた元軍人が、ゾンビが蔓延り廃墟となった韓国に再び戻り、大金の乗ったトラックを手に入れようとするが・・・。閉鎖された舞台設定によって絶対に安全な空間が確保されるなどロジカル面でのこだわりを見せた前作と違い、派手なアクションや泣かせのシーンなどのエンタメ性を優先していて、状況に関しては多少の辻褄は放棄されている。この処理に苦手意識を覚える人も少なくないだろうが、寓意とのバランス感覚は見事。

『Swallow スワロウ』は、画鋲やネジなどを飲み込んでしまう異食症となった主婦をヘイリー・ベネットが演じたスリラー。主人公に対する周囲からの抑圧の描写が説明過多なのが気になるところで、誰もが腑に落ちる"理由"が存在するほど、世界は単純ではないのでは。出生によるトラウマとか、夫を完全なる悪人にするなどの図式的な解りやすさは、この映画の雰囲気とは合っていないような。定点カメラによるエンドロールの映像は面白かった。

『キング・オブ・シーヴス』は、2015年にイギリスで実際に起こった高齢者集団による銀行窃盗事件をマイケル・ケイン主演で映画化したクライムサスペンス。平均年齢60オーバーの窃盗団が金庫破り集団を結成するが、老齢からくるトラブルが相次ぐ。と、そんなあらすじから予想される喜劇は思ったほどハジけておらず、犯行後の仲間割れが起きて以降はグダグダとしたまま物語は収束していく。この肩透かし感が狙いだとしたら、成功しているわけだが。

『恋する遊園地』は、遊園地のアトラクションに本気の恋をした女性を描いた異色のラブストーリー。無機物への恋愛感情がそれほどタブー視されなくなった昨今では、そこまで奇想天外でもなく、昔からある「障害のある恋物語」の亜種として一定のクオリティを保っている。ストーリーよりも、ビジュアル面における官能表現の新たな挑戦に注目すべきか。

 

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