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【TV】フタリシズカの「リコーダーボイパ」が繰り出す「スゴい」と「面白い」のアンバランス--『ネタパレ』2020/09/08放送

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フジテレビ『ネタパレ』
2020/09/04 放送

 

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芸人のネタには、特殊技能系のものがある。幾日も練習を重ねたうえで習得した芸というか特技で、手品とか神楽も含まれるであろう。この特殊技能系は、たしかに芸ではあるのだが、その「真似できなさ」への感心が先に立つため、なかなか笑いに繋がりにくい。いっこく堂の腹話術は、驚愕するレベルの特殊技能であり何度見ても飽きないのだが、あれで笑うことって滅多に無い。本人も笑わせようとはしていないだろうが。

日頃の練習量が垣間見えてしまうと、「スゴい」が先に立ってしまい、「面白い」になりづらくなる。この「スゴい」と「面白い」を両立するためには、披露する芸が心底くだらないものにする必要がある。アキラ100%って、めちゃくちゃとんでもない特殊技能を披露しているのだが、その中身があまりにくだらないために、垣間見えた練習量による「スゴい」もそのまま「面白い」へと直結する。いっこく堂とアキラ100%の違いが、ここにある。

で、先週放送の『ネタパレ』に出演していたフタリシズカという若手の男女コンビ。学園コントの中で横井かりこるという女の人が、リコーダーボイパなるものを披露していた。鼻でリコーダーを演奏しながら同時に口でボイスパーカッションをする特殊技能。これがどれほどの練習量なのか、誰でもできるのかできないのか、初見では「スゴい」の度合いが判断しづらい。ただ、「面白い」のは確かで、スタジオでも笑いが起こっていた。

鼻と口で別々に息を吐かなくてはいけないので、おそらく難しいのであろう。なので「スゴい」と捉えていいはずだが、その絵面のマヌケさが圧倒的なために、「面白い」が勝る。さらには、リコーダーという楽器のせいもあるのであろう、たまに音が弱々しくなったりリズムがずれたりする。そのような特殊技能としての綻びは「スゴい」へ影響することなく、ただただ「面白い」を強化させている。

このリコーダーボイパ、今後どのように消費されていくのか。バラエティ番組で擦られ続けて飽きられて終わり、みたいなことにはなってほしくないが。とりあえず、フタリシズカのコンビが協力して演奏する『香水』の、音が急に高くなるところ(ガッパーナのところ)、何度見ても笑える。

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