U-NEXTで映画再生後に表示される「おすすめ関連作」を数珠つなぎで観ていく第3弾です。前回は『狩人の夜』で終わりましたので、その続きからです。なお、今回から2作品の紹介となります。
スポンサードリンク
『血を吸うカメラ』
監督:マイケル・パウエル/脚本:レオ・マークス
制作国:イギリス/配給:東和(日本)/上映時間:102分/日本公開:1961年
出演:カール・ベーム、モイラ・シアラー、アンナ・マッセイ、マクシーヌ・オードリー、エズモンド・ナイト、バートレット・マリン、パメラ・グリーン
女性が死の恐怖で絶叫する顔をカメラに捉える猟奇殺人鬼を主人公としたサイコスリラー。今の尺度で捉えると、子供時代のトラウマを歪んだ性癖の絶対的理由にするなどの設定に陳腐さは拭えないが、本作においては構成脚本は些末なことで、各シーンごとのディテールに魅力が溢れている。カメラを覗く主人公の視点ショット、純真と気骨を兼ね備えており主人公と同様に観客にも「彼女だけは死んでほしくない」と思わせる魅力的なヒロイン(アンナ・マッセイ)、ここだけは定型を逸脱した主人公の狂った死にざま、マクシーヌ・オードリーの存在感など、記憶に残るポイントを挙げていけばキリがない。
-----
『フレンジー』
監督:アルフレッド・ヒッチコック/脚本:アンソニー・シェーファー
制作国:イギリス、アメリカ/配給:ユニバーサル/上映時間:116分/日本公開:1972年
出演:ジョン・フィンチ、バリー・フォスター、バーバラ・リー・ハント、アンナ・マッセイ、アレック・マッコーエン、バーナード・クリビンス
アンナ・マッセイつながりで、またヒッチコックに戻ってきた。ヒッチコックが久々にイギリスで撮影した、生涯で最後から2番目の作品。ロンドンで多発するネクタイ殺人の犯人に疑われた不運な男の話。そもそもが冤罪モノであるし、女性たちは呆気なく殺されるし、全体的には救いようのない話なんだけど、コメディ描写とのアンバランスさがどうにも気になる。無音で建物の外観を長回しで撮り、その時間中に室内で何が起こっているかを観客に頭の中で想像させる手法は、映画というジャンルだからこその演出であり相当に面白いので、みんなパクればいいのに。
-----
次の作品もヒッチコックで、『私は告白する』。どうもヒッチコックから抜け出せず、同じようなところをグルグル回っているみたいなので、10作目あたりで一回リセットするかも。
※ 続き
※ 前回まで
スポンサードリンク