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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『嘘八百 京町ロワイヤル』『Last Lover』『転がるビー玉』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

 

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『嘘八百 京町ロワイヤル』

監督:武正晴/脚本:今井雅子、足立紳
配給:ギャガ/上映時間:106分/公開:2020年1月31日
出演:中井貴一、佐々木蔵之介、広末涼子、友近、森川葵、山田裕貴、坂田利夫、前野朋哉、木下ほうか、宇野祥平、塚地武雅、国広富之、竜雷太、加藤雅也

57点
古物商と陶芸家のコンビが贋作を作って悪者を懲らしめる、コンゲーム要素を用いたコメディの2作目。こういうオリジナル・シリーズが新たに誕生すること自体は、日本映画の未来を考えるうえで素直に有難い。ただ、パート2の呪縛なのか、前作よりも更に物語が大味。先に9割ほど作戦の中身を明かして、9割ほど予定通りに実行されるだけでは、手に汗握る緊張感は発生しない。こうした安心感を求める観客も少なくないのかもしれないし、今後も同じパターンを頑なに続けていけば、フォーマットとして認知される可能性はあるが。

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『Last Lover ラストラバー』

監督&脚本:岡元雄作
配給:アストロサンドウィッチ・ピクチャーズ/上映時間:105分/公開:2020年1月31日
出演:優美早紀、安藤慶一、新井敬太、金久保マユ、根矢涼香、藤田健彦、大山真絵子、中野将樹、山口祥平、鏑木悠利、室上茂

54点
同棲中の彼氏が交通事故で亡くなるも、地縛霊となって戻ってくる話。後半のどんでん返しを含めて物語の骨格は定番の幽霊譚なのだが、予算の無さに対して吹っ切れているせいか細部に変な演出が目立ち、独特の仕上がりとなっている。幽霊が現れると木の棒でコツコツと叩くような音がしたりとか、幽霊に操られた人が自分で自分の首を絞めて死ぬとか、恐怖とは別のベクトルが発生している。失礼ながらタレント的な華の無い主人公カップルのイチャイチャが妙に生々しかったり。なんだかんだで記憶に残る作品ではある。
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『転がるビー玉』

監督:宇賀那健一/脚本:宇賀那健一、加藤法子
配給:パルコ/上映時間:93分/公開:2020年1月31日
出演:吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯、笠松将、大野いと、冨手麻妙、大下ヒロト、日南響子、田辺桃子、神尾楓珠、中島歩、徳永えり、大西信満、山中崇

51点
女性ファッション誌「NYLON JAPAN」の創刊15周年で企画された作品。再開発で取壊しの決まった渋谷のマンションに、夢を追い求める3人の女の子がルームシェアしている。彼女たちの日常が、変化する渋谷の街とリンクする狙いらしいけど、別にこれ渋谷とか関係ないような。都市論以前に、背景としても単調で、渋谷という固有の土地である意味がない。まず、そのマンションは渋谷のどこにあるのかすら判然としないし。渋谷の件は一旦忘れて単なる青春物語として捉えようとしても、ありきたりなエピソードが細切れに並んでいるだけで、焦点の持って行き場がない。せめてタイムリミットからくる切迫感でもあれば。
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