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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『決算!忠臣蔵』『地獄少女』『殺さない彼と死なない彼女』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

 

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『決算!忠臣蔵』

監督&脚本:中村義洋/原作:山本博文
配給:松竹/上映時間:125分/公開:2019年11月22日
出演:堤真一、岡村隆史、濱田岳、横山裕、荒川良々、妻夫木聡、大地康雄、西村まさ彦、木村祐一、小松利昌、沖田裕樹、橋本良亮、寺脇康文、鈴木福、千葉雄大、鈴鹿央士、荻野由佳、上島竜兵、堀部圭亮、山崎一、波岡一喜、宮本大誠、芦川誠、山口良一、桂文珍、村上ショージ、板尾創路、滝藤賢一、笹野高史、竹内結子、西川きよし、石原さとみ、阿部サダヲ


60点
忠臣蔵映画として捉えればキワモノもいいところで、何かあるごとに円で換算された金額がテロップ表示され、大石内蔵助らが目減りする予算をどうにかしようと奮闘する。大石内蔵助を中間管理職的な立ち位置にして、極めて個人的な動機によって討ち入りを決意する流れは、現代的なエンタメ娯楽作として真っ当な仕上がりで、意外と忠臣蔵をよく知らない人への配慮もされている。ただし、討ち入りの計画を練るシーンが実はクライマックスなのだと先に示すことが、絶対に必要であった。なお、キワモノとは言ったが、石原さとみ演じる瑤泉院が不機嫌なままナレーションも担当することで、往年の忠臣蔵映画の系譜を受け継いでいる。ちなみに作品の評価とは別だが、パンフレットがボリュームたっぷりで読み応えある。

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『地獄少女』

監督&脚本:白石晃士/原作:地獄少女プロジェクト
配給:ギャガ/上映時間:107分/公開:2019年11月15日
出演:玉城ティナ、橋本マナミ、楽駆、麿赤兒、森七菜、仁村紗和、大場美奈、森優作、片岡礼子、成田瑛基、藤田富、波岡一喜


57点
いかにも主人公と軋轢がありそうな級友は呪われることなくビンタで済まされるなど、まったく定型パターンに収まっていないので、話がどう転がるのか予測が立たない。だが、その混乱自体はけして嫌なものではなく、ホラーらしい不条理として楽しめる。問題は、いかにも伏線めいた偶然の出会いや裏がありそうな事件が、単に見た通りのままである肩透かしの感じであろうか。地獄の者たちが能動的に主人公の周辺を監視しているのも理由が不明だが、エキストラに混じって麿赤児が立っているだけで笑えるので、まあいいか。

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『殺さない彼と死なない彼女』

監督&脚本:小林啓一/原作:世紀末
配給:KADOKAWA=ポニーキャニオン/上映時間:123分/公開:2019年11月15日
出演:間宮祥太朗、桜井日奈子、恒松祐里、堀田真由、箭内夢菜、ゆうたろう、金子大地、佐津川愛美、森口瑤子


69点
どこか虚構めいた不思議な繋がりを持つ3組の高校生が、それぞれの関係性によるちょっと非日常な日常を送る様子を、淡々と見せる。若者なりの達観した言動が絡み合うことで、モラトリアムの中に小さな変化が訪れていく様子に、懐かしさと羨ましさを同時に感じ、悶絶する。ある事件が起きて以降が少し長い感じもしたが、未来の話をするには必要な所作だったのだろう。小林啓一監督は、現在の日本の映画監督の中で、手持ちカメラを最も効果的に使いこなせる人物ではないだろうか。

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