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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『虚空門GATE』『影踏み』『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』

最近(と言っても1週間以上前ですが)観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

 

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『虚空門GATE』
監督:小路谷秀樹
配給:プライドワークス/上映時間:123分/公開:2019年11月9日
出演:庄司哲郎


74点
UFOを追いかけている人たちへ取材したドキュメンタリーとして始まるが、途中で「UFOを呼べる男」が忽然といなくなったあたりから、事態はジェットコースターの如く予測不可能な方向へ転がっていく。オチどころか方向性すら決めず、ただただ6年間もカメラを回し続けたことで、衝撃の展開を多数挟んだ挙句、ちょっとハートフルな人と人とが寄り添う話みたいなところに行き着いてしまう。最初から最後まで何を観させられているのか解らず混乱するが、そこにドラッグ的な心地よさがある。序盤で出てくる宇宙人の映像について「これは偽物だが、この映像が作られたことは宇宙人が来ている証拠だ」という謎の理論が展開されるが、実はこれが映画自体とも通じている。

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『影踏み』
監督:篠原哲雄/脚本:菅野友恵/原作:横山秀夫
配給:東京テアトル/上映時間:112分/公開:2019年11月15日
出演:山崎まさよし、尾野真千子、北村匠海、滝藤賢一、鶴見辰吾、大竹しのぶ、中村ゆり、竹原ピストル、中尾明慶、藤野涼子、下條アトム、根岸季衣、大石吾朗、高田里穂、真田麻垂美、田中要次


58点
主人公の人生を狂わせる"枷"のようなものが、まるでテーマのように存在している。映像表現ならではのギミックまで用い、生まれ持った宿命のような"枷"のせいで泥棒稼業となってしまい、刑務所から出た後も主人公は囚われたままだと示される。これは壮絶な過去を持つ主人公特有のものかと思いきや、後半で別の人物が、同じものを"枷"としていて、そのせいで人生が破滅していることが解る。そんな、ただの家族構成の一種でしかないものを、当人にとっては"枷"なんだと普選性をもって主張してしまっていいのだろうか。新たな差別対象を産み出そうとしてはいないか、甚だ疑問。

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『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』
監督:渡邊政治/脚本:横谷昌宏/原作:長月達平
配給:角川ANIMATION/上映時間:80分/公開:2019年11月8日
出演:高橋李依、内山夕実、小林裕介、水瀬いのり、村川梨衣、子安武人


57点
人気ダークファンタジーアニメのスピンオフのようなもので、メインヒロインであるキャラクターの過去を描く。門外漢への配慮が無くファンサービスに徹しているのはいいとして、特定のキャラクターしか登場しない過去の物語では、既存ファンの中でもさらに顧客対象が限られてしまうのではないかと不安になる。それにしても、なぜこの作品の劇場版はいつも、異世界転生やタイムリープといった重要な要素を無視するのか。TVアニメの時も少し感じたのだが、作品の魅力がキャラ萌えにしかないと作り手の側が思い込んでいるような気がする。

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