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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『ホットギミック ガールミーツボーイ』『TOURISM』『アンダー・ユア・ベッド』

最近観た邦画3作の短評レビューです。例によって、軽くネタバレありです。

 

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『ホットギミック ガールミーツボーイ』
監督&脚本:山戸結希/原作:相原実貴
配給:東映/上映時間:120分/公開:2019年6月28日
出演:堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗、桜田ひより、上村海成、吉川愛、志磨遼平、黒沢あすか、高橋和也、反町隆史、吉岡里帆

62点
主要な舞台である東雲キャナルコートのデザイナーズマンションが、鉄とコンクリートの組み合わさった冷たい無機質な空間を形作り、閉塞した息苦しさを否応なく醸し出してくる。そんな薄暗くどんよりとした空間の中で、尋常ではない大量のカット割りと共に高校生の男女が刹那的に虚空に向かって叫び、もがき続ける。山戸結希監督は若者の代弁者として認知されているが、この閉塞した陰鬱さと刹那的な攻撃性が本当に今の若者のリアルだとするならば、なんと息苦しい時代を生きているのかと同情を禁じ得ない。それにしても清水尋也は未曽有の役者街道を歩き始めているようで、今後にも期待がかかる。

 

『TOURISM』
監督&脚本:宮崎大祐
配給:boid/上映時間:77分/公開:2019年7月13日
出演:遠藤新菜、SUMIRE、柳喬之

54点
日本とシンガポールの合作。女2人で初めての海外旅行に行ったら現地で迷子になってさあ大変という、話としては、ただそれだけ。あくまで流されるように受動的に行動しており、そこに自撮り映像やSNS画面をはめ込んでくるなど、ユルさ込みのドキュメンタリー風味にしている。一方で、要所要所で都合のいい展開にするための強引さがあり、「これは作り物なんだ」と主張しているかのような悪目立ち感がある。メインの女優2人がけして無名ではない点を含めて、狙いなのか計算ミスなのか解らないぎこちなさが随所で散見され、企みが空転しているかのような印象を受ける。

 

『アンダー・ユア・ベッド』
監督&脚本:安里麻里/原作:大石圭
配給:KADOKAWA/上映時間:98分/公開:2019年7月19日
出演:高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔

54点
誰からも認識されていない(と思い込む)30歳の青年が、大学生時代に一度だけ名前を呼んでくれた女性を探し出し、自宅に忍び込むなど過剰な監視行為を行う。すると、その女性は現在、夫から酷いDVを受けていた、という話。あまりにステレオタイプなストーカー描写(壁一面に彼女の顔写真を貼るとか)と、同じくステレオタイプな過激さを極めたDV暴力描写が羅列しているだけで、瞬間的な刺激の繰り返しのみによって退屈な物語を誤魔化している。ホラーであるならば細部を詰めて現実の出来事であるかのようにするべきだが、湯水のように金を使っているストーカー青年の資金源の説明が一切なく、リアリティ面で引っかかる。あと、彼女の側の視点は必要なかったのではないか。

 

 

 

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