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【邦画/アニメ/Netflix】『BLAME!』ネタバレ感想レビュー--3DCGで人間を自然に表現するには、人間を人間らしく表現できない境遇におけばいいということか

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監督:瀬下寛之/脚本:村井さだゆき/原作:弐瓶勉
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ/配給:クロックワークス/上映時間:105分/公開:2017年5月20日
出演:櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天、山路和弘、宮野真守、洲崎綾、島崎信長、梶裕貴、豊崎愛生、早見沙織

 

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65点
不勉強で全く知らなかったのだが、日本初のNetflixオリジナルアニメだそうだ。2017年に2週間限定で劇場公開もされていたそうだが、なぜかスルーしている。弐瓶勉の原作漫画有名らしいが、知らなかった。ボクの興味範囲からして過去にこのタイトルを目にしていないわけが無いのだが、なじみのない英単語ひとつのタイトルでは、記憶に残りづらいのかもしれない。

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具体的な場所や時代は明かされないが、おそらく遠い未来の地球(表示される言語や人名から察するに、日本のどこか)が舞台。世界は機械によって支配され、意志を持っているのかプログラミングされているのか、ひたすら都市を増築しているという、都市論好きには堪らない設定。ああこれ、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』の元ネタだったのか。制作会社も監督も同じなので、確実に意識しているはずである。というか、絶対にアニゴジ2作目のときにインタビュー記事とかレビューとかで『BLAME!』というタイトルを見ているはずなんだよな。ほんと、なんで記憶に残らないのか。

この世界では、人間は駆逐される対象として機械に認知されていて、発見されると途端に襲われて首から上をもぎ取られたりする。そのため、なぜか機械が侵入できない小さなエリアで細々と暮らしているのだが、このままでは飢えて全滅してしまうので、危険を冒して外部に食料を探している。そこで、人間とも機会とも判別できない存在と出会って・・・、という話。

ポストアポカリプスにおける圧倒的な絶望の中で、ほんのわずかな希望が現れては消えていくという目まぐるしい展開は単純に手に汗握る。あまりにスピーディーな話運びなので、むしろ単調に感じてしまう面があるのは、ぜいたくな悩みであろう。

少し驚いたのだが、昨今の3DCGでは珍しく、人間の造形に違和感があまりない。同じポリゴン・ピクチュアズ制作のアニメでも、違和感はあるものなので、理由は技術的なものではないだろう。本作の場合、人間と機械が同じ世界観に同居している。しかも主導権を持っている機械のが生物的な動きをするぶん、下等とされている人間の動きが固くなるのも意味的には不自然ではない。実際に本作では、人間なんだからと常に細かく動かしていない(風に吹かれた柳のようにフラフラとしていない)。つまり、3DCGで人間を自然に表現するには、人間を人間らしく表現できない境遇におけばいいということか。

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