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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『コードギアス 復活のルルーシュ』『君は月夜に光り輝く』『えいがのおそ松さん』『まく子』

 最近観た邦画の短文レビューです。ちょっと今、長い文章を書けるモチベーションじゃないもので。

 

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『コードギアス 復活のルルーシュ』
監督:谷口悟朗/脚本:大河内一楼
配給:ショウゲート/上映時間:113分/公開:2019年2月9日
出演:ゆかな、櫻井孝宏、名塚佳織、小清水亜美、白鳥哲、新井里美、戸田恵子、村瀬歩、大塚明夫、島崎信長、高木渉、津田健次郎

63点
かつて放送されたTVアニメではなく、再構成された劇場版3部作の続きとなる新作オリジナルアニメ。死亡したように描写されていた主人公が実は生きていたという展開への理由付けなど、あくまで論理的な構築の積み重ねによって新たなものを産み出している。本作では異能力バトルものとしての側面が強く、しかも時間操作系という厄介な能力が登場しているが、そんな強敵でさえもロジカルな戦略というこのシリーズ本来の魅力で立ち向かっている。TVアニメの時からそうなのだが、同じ時間軸上で起きている複数の事態を矢継ぎ早に切り替えて見せていく手法は、さすがの持ち味。

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『君は月夜に光り輝く』
監督&脚本:月川翔/原作:佐野徹夜
配給:東宝/上映時間:101分/公開:2019年3月15日
出演:永野芽郁、北村匠海、甲斐翔真、松本穂香、今田美桜、優香、生田智子、長谷川京子、及川光博

54点
「発光病」という架空の病気を創作して、昨今の余命映画における最大の問題「病人が元気過ぎる」という点に一応の回答を出している。まさか本当に身体が光るとは思わなかったが。サマンサタバサとか竹内涼真といった実在の固有名詞がポンポン出てくるのだが、「発光病」というファンタジックな設定との折り合いが悪い。それにしても、なぜ余命映画のヒロインは誰もが、やりたいことノートをつけるのだろうか。あまり関係ないが、北村匠海は「死んだ魚のような眼」という比喩を完璧に表現している眼差しを持っているのだな。無感情の殺人鬼の役とか似合いそう。

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『えいがのおそ松さん』
監督:藤田陽一/脚本:松原秀/原作:赤塚不二夫
配給:松竹/上映時間:108分/公開:2019年3月15日
出演:櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山潤、小野大輔、入野自由、遠藤綾、鈴村健一、國立幸、上田燿司、飛田展男、斎藤桃子、井上和彦、くじら

51点
2015年に大ヒットしたTVアニメの劇場版で、大人となった6つ子がタイムスリップする。TVアニメにおいて個々に強烈なキャラクターづけをなされた6つ子だが、劇場版では全く別のキャラクターである高校時代の自分たちと出会う。最近のアニメのスピンオフで多い「人気キャラが、いつもと違う姿を見せる」というパターンの亜種で、特に声優ファンであれば多彩な演技を楽しめるのかもしれない。しかしこの手法を安易に採用すると、本編の世界観が崩壊する恐れがある。その点については、そもそもが世界観が確立されていない本作の場合は影響が少ないが、一方で何も積み重なっていかない無意味さを感じる。どんなメチャクチャなことをしてもOKな土壌なのに、どうにも振り切れていないもどかしさがある。

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『まく子』
監督&脚本:鶴岡慧子/原作:西加奈子
配給:日活/上映時間:109分/公開:2019年3月15日
出演:山崎光、新音、須藤理彩、つみきみほ、村上純、橋本淳、内川蓮生、根岸季衣、小倉久寛、草なぎ剛

53点
もう何百回と同じことを言っているが、小説だからこそ成り立つリアリティをそのまま映画にしたらダメなんだって。本作の場合だったら、SFとして理詰めに設定を構築していくか、ファンタジーとしてもっとぼんやりした抽象的な話にするか、どちらかに振り切れないと成立しないのに。アレを持ち出してきた割には異文化コミュニケーションとしての面白さは皆無だし、主人公の少年周りの微妙な人間関係に異物を投入して波風を立てさせるというわけでもない。緊張感が無いので、劇中で主人公が抱えている悩みの深刻さが伝わってこず、なんとなくいつの間にか全てが解決しているかのよう。ヒロイン役の新音(にのん)のエキゾチックな顔立ちは作品を引き締まらせているが、さすがに小5には見えない。

 

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