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【邦画】『ゴーストスクワッド』感想レビュー--ノーメイクスというアイドルグループの可愛さがシーンごとに変わるのが面白い

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監督&脚本:井口昇
配給:ワンダーヘッド/公開:2018年3月3日/上映時間:106分
出演:神門実里、洪潤梨、上埜すみれ、柳杏奈、島津健太郎、なべやかん

 

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55点
井口昇監督の良き観客ではない。そんなに数を観ていないこともあるが、根本的に映画についての捉え方が違うからであろう。井口監督がいかにも楽しんでやっていることに、どうしてもついていけないことが、よくある。『映画秘宝』的な教養(これもまた雑な言い方だが)に乏しいからかもしれない。

そんなヤツの言うことなので聞き流してもらって構わないのだが、それでも『電人ザボーガー』『ライヴ』など、多少のお金がかかっていそうな作品は、面白いところもあった。笑った記憶もある。ただ、本作『ゴーストスクワッド』のように本格的に低予算映画になると、どうしていいのかわからなくなる。自分の感性のほうに問題があるのは承知なのだが。

本作『ゴーストスクワッド』だが、最初のほうは、けっこう面白いというか、「これを面白いと思う人もたくさんいるだろうな」という納得はできる。幽霊の女の子(白塗り)がガタガタ動いて、ストローをうまく咥えられないところとか、ベタだが本気の演技なので楽しくはある。低予算ならではの残虐アクションも、自分の血をジョッキに入れて無理やり飲ませたりと、バカバカしくて良かったし。

でもそういったアイデア勝負の残虐アクションが、後半にはほとんどなく、普通のアクションになってしまっている。強姦されて殺された女の子が幽霊になって復讐するという、実は重い話なのだが、「待ってました!」と言いたくなるはずの最後のアクションが単調なため、あんまりカタルシスが発生していない。冒頭の、そこまで巨悪でもない兄ちゃんが一番残虐にやられているのはどうなのか。

でもこれ、ひとつすごく感心したところがあった。主演がノーメイクスという井口監督プロデュースの4人組アイドルなのだが、シーンによってそれぞれの可愛さが変化しているのだ。具体的な名前は失礼に当たるので伏せるけど、最初のシーンで「え、オバサンなの?」と思った人が、後半のシーンでは笑顔が絶えないことですごく可愛く見えたり、逆に最初のうちは「この人、他のメンバーより断トツで可愛いじゃん」と思った人が、後半では尼神センター・誠子にしか見えなくなっていたり。この、可愛さを自在に変化させる腕には見入ってしまった。監督的には、狙っていないだろうけど。

そうそう、ノーメイクスのメンバーが道を歩くなり走るなりのカットは、どれもカッコよくて、そこだけだったらファンになりそうなくらい未了的でした。走るって、最も基本的なアクションなんだと、改めて思った。

まあ、自分とは合わなかったということで。申し訳ない。ところで、カール・マルクスの写真がプリントされた、あの謎のシャツは、どこで売っているのだろうか。ちょっと欲しいのだが。

サイファイ/大傑作

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