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【邦画】『嘘を愛する女』--直線だけのドミノ倒しのように進む退屈な話

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監督:中江和仁/脚本:中江和仁、近藤希実
配給:東宝/公開:2018年1月20日/上映時間:117分
出演:長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈、黒木瞳、吉田鋼太郎

 

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54点
自分の彼氏が急にくも膜下出血で意識不明の重体となったところ、なんと名前も経歴も詐称していたと発覚。彼が寝ている間に本当は何者なのか探偵とともに探っていく、というのが大筋の話である。普通に暮らしていた幸せが一転するわけで、観客にも「もしも自分にもそういうことが起こるかも」と思わせるのが大事なはずだが、その割にはリアリティ面で色々と引っかかる

嘘を愛する女 (徳間文庫)

嘘を愛する女 (徳間文庫)

 

 

まず、恋人に嘘をつくだけなのに、なぜ免許証まで偽造しているのか。けっこうなお金と手間がかかるはずさだし、そこまでする必要はあるのか。あと、免許証偽造となったら警察は本格的に捜査に乗り出すと思うのだが、なぜ何もしないのか。彼が何者なのかは最後にわかるのだが、それでも免許証を偽造してまで自分を偽る理由はわからない。偽の社員証に至っては、一体そこまでして恋人を騙す理由は何なのか。強調しておくけど、何らかの組織とかじゃなくて、ただの一般人の恋人だよ。

まあ全体的に、話を進めるための設定が機械的に並んでいくだけなのだ。コインロッカーのカギがあった→パソコンが入ってた→書きかけの小説だ→その舞台に行ってみよう・・・って、そんな感じ。直線だけのドミノ倒しを延々と見せられているみたいで、ぶっちゃけて言うと、退屈なんである。長澤まさみと吉田鋼太郎の即席コンビも、抱えている問題が全く別なのもあって、なんら噛み合ってないし。

結局のところ、高橋一生の過去と何の関係もなかった川栄李奈が、実はこの映画を退屈さから救っていたようであった。川栄李奈、ぶりっ子キャラをすることで何かをごまかしているようで、変に間を持たせる力があった。あの突然の回し蹴りには驚いたし。舞台が瀬戸内になり、川栄李奈が半分忘れられてからが、退屈さに拍車がかかっていった。瀬戸内に行ってからは、「長澤まさみの気分」だけで話を転がしていたし。それより、寝たきりのまま放っておかれた高橋一生に、川栄李奈が何かしでかさないか冷や冷やしていたが。

そんな川栄李奈も、本当に単なる「場を持たせるためだけのキャラクター」で、特に必要のない存在だったのは白けたが。同様に、変な仮装をさせられていたDAIGOも、最近は刑事か役人の役ばかりさせられている嶋田久作も、場を持たせるためだけにキャスティングされている。そしてそんな場を持たせる人たちが後半ではほとんど出てこないから、ただただ長澤まさみの気分に付き合わされるだけの退屈な話になっている

そんなんで最後に長澤まさみの長広舌を聞かされて、さあ感動せよって言われてもねえ。しかし繰り返すけど、ちゃんと仕事しろよ警察

 

 

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