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【邦画】『一礼して、キス』--高校生男女の青春ラブストーリーのはずが、なぜかホラー風味

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監督:古澤健/脚本:浅野晋康/原作:加賀やっこ
配給:東急レクリエーション/公開:2017年11月11日/上映時間:99分
出演:池田エライザ、中尾暢樹、松尾太陽、鈴木勝大、萩原みのり、眞島秀和

 

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53点
高校3年生で弓道部部長の岸本杏(池田エライザ)は、他の部員が帰った後も、夜になるまでひとりで練習にいそしむ。そんな彼女を暗い部屋の中から見つめ、「先輩、一緒にインターハイに出ましょう」とひとり呟く謎の男。ろくに練習していないのに実力抜群の2年生、三神曜太(中尾暢樹)である。

とまあ、若い男女が恋に部活に励む青春ラブストーリーなはずなのに、しょっぱなからホラーテイストである。ずっとどんよりとしていて、部活モノなら必須の爽快さが、最後まで1ミリも存在しない。映画中で弓道のルールを一切説明してくれないので、そもそも部活モノではないのかもしれないが。

夏のインターハイ予選。決勝で大きく射形が崩れてしまい(素人目から見ても、ちゃんと崩れていた)、杏は負けてしまう。全国大会に進めず、落ち込む杏。退部の旨を顧問に伝え、受験勉強に集中しようとするが、次期部長の三神が秋のインターハイに杏も出場すると勝手に宣言してしまう。

他に誰もいない薄暗い弓道場で、三神に抗議する杏。テンションの低いやり取りが少しあったのち、三神は「気づけよ、鈍感!」と叫び、いきなり杏にキスをする。そして杏を押し倒し、「弓道を続けなければ、乱暴しますよ」という、誰かが見ていたら即通報されるレベルの脅迫を行う。

このシーン、押し倒したところで急にBGMが転調し、謎の曲が流れる。ピアノソロから始まる、人の心をものすごく不安にする音なのだが、この後も二人にとって大事な局面(告白とか)になると、このポンポロポンポロという曲が流れ出す。女の子を押し倒して脅迫ってのも、2人の関係が進展したということらしい。マジか。

で、この映画、妙に画面が暗いのだ。やけに夜のシーンが多いし、室内も常に暗いし、昼間の屋外のシーンですら人物に照明を当ててないんじゃないかと思うくらい、とにかく暗い。この画面の暗さと不安にさせるBGM、そして主人公男女二人が不気味なほど低テンションなのも含めて、ホラーみたいなんである。

話の内容は大したことないのに、様々な要素のおかげで妙に薄気味悪い映画になっていた。明るくて弾けてるものばかりが青春ってわけじゃないんだな。って、そんな結論でいいのかも解らないけれど。

 

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