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【邦画/アニメ】『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』--「種族を超えた恋愛」というよくある話。以上。

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監督:いしづかあつこ/脚本:花田十輝/原作:榎宮祐
配給:角川ANIMATION/アニメ制作:マッドハウス/公開:2017年7月15日/上映時間:106分
出演:松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子

 

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51点
『劇場版 艦これ』以来だろうか。原作どころかTVシリーズすら全く知らないアニメの劇場版を観に行ったのは。そんな状態で話の意味が解らなかったとしても、もちろんこちらに全面的な非があるのだが。いや、それにしたって深夜アニメの劇場版は「一見さんお断り」が多すぎやしないか。

ここ最近では『ガールズ&パンツァー 劇場版』『たまこラブストーリー』あたりが、例外的にTVを見ていない人にも配慮していた。しかし多くは、TVアニメのファン以外はハナから眼中にないようだ。『ガルパン』は「アニメファン、戦車ファンは黙っていても観に来るだろうから、それ以外の集客をどうするか」と考え、映画ファンに照準を絞ったうえでの、あの大ヒットであったのに。

黙っていても観に来る人だけに向けた映画だって必要だが、せっかく映画館でかけるならそれ以外のターゲットにも挑戦してほしいとは思う。その意味で『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』はどうだったか。なんとこれ、TVにおける本編の6000年前の話なのだ。だから主人公もヒロインも新キャラ。もちろんストーリーも「何かの続き」ではないので、一見さんにもついてこれる内容になっている。これは良い。

はい、ちゃんと褒めたよね。ではここから苦言を呈します。えーと、6000年前はいくつかの種族(エルフとか)がいて、それぞれ自分のところの神を唯一神にしようと争っていて、人間はその戦いに巻き込まれているという状態らしい。そんな中で主人公である人間の少年・リクは、エクスマキナとかいう種族の少女(性別があるのかよくわからないが、一応)シュヴィを見つけ、いろいろあって村に連れて帰り、迷子の人間を見つけたと偽って村人に紹介する。

さあ、こういう序盤だったら、次に来る展開は予想できるよね。もちろん「シュヴィが人間とは別の種族だとバレて村人から迫害される」だよね。うん、こんな展開、ひとつもならないから。リクの自称・姉であるコロンという女の子は気づくんだけど、「ふーん、やっぱり」で済ましているし。他の村人にいたっては、気づいているかどうかもよくわからない。迫害するか受け入れるかはともかく、そこハッキリさせなきゃダメじゃない?

あと、主人公とは兄弟関係だが血の繋がっていない女の子(コロン)って、この手のアニメだったら恋愛的な感情があるはずだが、それも一切ない。当然のごとくリクとシュヴィは種族を超えた恋愛関係になるのだが、それに対してもコロンは純粋に「おめでとう」で済ましている。

いや別に、深夜アニメの定型通りになっていないから批判しているわけではない。むしろ定型を崩すほうが正しい。ただ本作の場合、前述したような定型を取っ払っただけで、別の何かを付け加えていないのが問題。一番の定型である「種族を超えた恋愛」だけが残されていて、それだけで終わりだ。もう何万回も観たやつだ。

単純に、物語が薄いんである。『メアリと魔女の花』の時も薄いと思ったが、その比ではない。まず、リクとシュヴィ以外に主要なキャラクターがいない。コロンだって話とあまり関係のない脇役だし、戦うことになる異種族のキャラも同じようなもの。リクとシュヴィの2人だけで物語が完結している。

こんなんでいいのかなあ。「種族を超えた恋愛」という手垢のついた話なのはいいけど、ここまで肉付けされていないモノが本当に欲されているのだろうか。あと、このアニメの決め台詞が「さあ、ゲームの始まりだ」らしいんだけど、それはあえてダサいことやってるってことでOK?

 

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