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【洋画/DVD】ロジャー・ムーア版の『007』シリーズを片っ端から観てみた

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イギリスの名優、ロジャー・ムーアが死去したのは2017年5月23日。その訃報は偶然にもイギリスのライブ会場でのテロと同じ日に届いたため、まさかテロで亡くなったのかと一瞬だけ誤解した。ジェームズ・ボンドがテロで亡くなったら大問題だ。

とかなんとか適当なことを言っているが、不勉強なことに映画『007』シリーズはダニエル・クレイグ版しか観ていなかった。これではいけないと思い、TSUTAYAで在庫があったロジャー・ムーア版の『007』4作を借りてきて片っ端から観てみたわけである。連続して観たことで、『007』シリーズの様式美がいくつかわかった。中盤でボンドに抱かれるボンドガールはそのあとすぐに殺される、とか。あと、この世界にはブラジャーという概念はないんだろうか。出てくるボンドガールたちがことごとくノーブラなんだが(仕事中ですら!)。

そんなこんなで、以下は各作品の雑感です。

 

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『007 死ぬのは奴らだ』

監督:ガイ・ハミルトン/脚本:トム・マンキーウィッツ/原作:イアン・フレミング
配給:ユナイテッド・アーティスツ/公開:1973年7月28日/上映時間:121分
出演:ヤフェット・コットー/ジェーン・シーモア/グロリア・ヘンドリー

 

ロジャー・ムーア版の一作目。何かしらの権力をもって裏から支配をするメインの敵役がいて、用心棒的な怪人が脇にいる、というのが『007』のありがちな構成なんだろうか。そして用心棒的なほうが最終的には生き残って、全てが終わったと思いきやラスト間際でボンドの前に現れるというのは、次の『黄金銃を持つ男』と同じだった。タロットカードで予知できるというオカルトを純粋に信じれるかどうかで、この話の面白さは変わってくるのだろう。個人的には、今回観た4作の中で一番好きなオープニングタイトルがこれ。

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『007 黄金銃を持つ男』

監督:ガイ・ハミルトン/脚本:リチャード・メイボーム,トム・マンキーウィッツ/原作:イアン・フレミング
配給:ユナイテッド・アーティスツ/公開:1974年12月21日/上映時間:124分
出演:ブリット・エクランド/クリストファー・リー/モード・アダムス

 

敵役がドラキュラ俳優ことクリストファー・リーで、彼の部下を演じるのが小人症のエルヴェ・ヴィルシェーズ。そんなわけで、全体的に怪奇色の強い作品となっている。一応メインのボンドガールであるはずのメアリー・グッドナイト(ブリット・エクランド)によるドジっ娘ぶりが一服の清涼剤として機能している。ボンドが力士と戦う謎のシーンもある。力士が登場するのは香港だが、アジアだからいいだろうというような感覚(ほかの作品にもある)は、わかっていてワザとやっているのか? 『007は二度死ぬ』の舞台は日本で国技館にも訪れているので、無知が原因とは思えないが。

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『007 ムーンレイカー』

監督:ルイス・ギルバート/脚本:クリストファー・ウッド/原作:イアン・フレミング
配給:ユナイテッド・アーティスツ/公開:1979年12月8日/上映時間:126分
出演:ロイス・チャイルズ/マイケル・ロンズデール/リチャード・キール

 

『007』シリーズがリアリティを重視していないというのが今回よくわかったのだが、それにしてもこの作品のぶっ飛び方は凄まじかった。なんせボンドが半分成り行きで宇宙に行ってしまうのだから。リアリティ排除のためか、けっこう前半から、アクションシーンで笑わせようとしているみたい。夜中にボンドを暗殺しようと現れる刺客が剣道着姿で、竹刀で襲い掛かったりとか。SFとしてもツッコミどころが多いが、公開当時だったら許されていたか。なお、悪役の怪人が最終的にボンド側につくというのは珍しいかもしれない。

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『007 ユア・アイズ・オンリー』

監督:ジョン・グレン/脚本:リチャード・メイボーム,マイケル・G・ウィルソン/原作:イアン・フレミング
配給:ユナイテッド・アーティスツ/公開:1981年7月11日/上映時間:126分
出演:ジュリアン・グローヴァー/ハイアム・トポル/キャロル・ブーケ

 

冒頭のヘリコプターから最後のロッククライミングまで、アクション過多の作品。もはやストーリーとは関係ない「アクションのためのアクション」も多かったが、それはそれで美点か(ヘリコプターで車いすの男を殺すシーンが本筋と無関係で戸惑ったのだが、あとでネットで調べて意味が分かった)。スキーにスケートにボブスレーにアイスホッケーまで、冬スポーツを絡めた一連のアクションは素直に楽しい。敵役がそれほどぶっ飛んでおらず、脚本も控えめにまとまっていて、あくまでメインはアクションシーンであるという感じであった。そのため、今回の4作では最も『007』らしさを満足することができたかも。

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