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【邦画】2017年2月に観た邦画レビュー--『破門』『虐殺器官』『相棒 IV』

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最近観た邦画の短文レビューです。なお、『サバイバルファミリー』は今週末にもう一度観てから、ちゃんと文章を書きたいと思っています。

 

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『破門 ふたりのヤクビョーガミ
監督:小林聖太郎/脚本:真辺克彦、小嶋健作、小林聖太郎/原作:黒川博行
配給:松竹/公開:2017年1月28日/上映時間:120分
出演:佐々木蔵之介、横山裕、北川景子、國村隼、橋爪功

70点
良作のエンタテイメントだと断言する。特に感心したのは、狭い空間での乱闘シーン。ある意味形式化しており安心して見られそうな乱闘になるかと思いきや、いきなり相手の頬を箸で貫く描写が入ったりする。こういう一線の超え方など、意外と先の読めない展開が続いて、ハラハラする場面が多い。人質の引き渡しのシーンとか、先にトリックを見せるというセオリー崩しのせいで「バレる」「バレない」のどっちだか判別できず、けっこう手に汗握ったりする。あと、何度かある銀行のシーンも、どっちに転ぶかわからない感じが素晴らしい。こういう楽しませ方がちゃんとできるエンタメ邦画、最近少ないので、貴重な一本だ。

 

 

『虐殺器官』
監督&脚本:村瀬修功/原作:伊藤計劃
配給:東宝映像事業部/公開:2017年2月3日/上映時間:115分
出演:中村悠一、三上哲、梶裕貴、石川界人、大塚明夫

68点
あくまでアニメ映画化されたものからの判断だが、伊藤計劃作品の中では比較的テーマがわかりやすいほうではないか。もしくは、原作をわかりやすくしようという努力の成果かもしれない。ハードSFは客を選ぶが、本作は新規の者にも充分に門戸を広げている。これから伊藤計劃の世界に足を踏み入れるのならば、まずこの映画を導入としてそのあとで小説に入っていくのがいいのではないか。いや、ボクも原作を買ったはいいが積ん読状態なんだけど。

 


『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断
監督:橋本一/脚本:太田愛
配給:松竹/公開:2017年2月11日/上映時間:120分
出演:水谷豊、反町隆史、仲間由紀恵、北村一輝、鹿賀丈史

 

54点
「オリンピック」という単語が使えず「国際スポーツ大会」としか言えないところに、テレビ局映画の限界を見た(ところで、どう見ても季節は夏なのに開催地がモスクワって)。とは言いつつも、本作の反体制ぶりには磨きがかかっており、徹底して政府批判を繰り返している。どうにも左寄りの思想なのは別にテレビ朝日だからではなく、現政府が右寄りだから逆を行っているだけだろう。エンタメは反体制にしたほうが面白くなるのは道理だからいいのだが、それにしても今回は過去作と比べても脚本の粗さが目立っていた。そりゃテロの標的が何かなんて観客からしたらバレバレだが、一応は理論的に導いてくれないと困る。杉下右京の漠然とした憶測だけで警察全体が動くのには唖然とする。



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過去の邦画短文レビュー

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