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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】vol.1 茨城編(後編)--『ガルパン』聖地・大洗で途方にくれる

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大洗の海は荒れまくっていた

 

↓前編はこちら

yagan.hatenablog.com

 

さて、笠間の映画館で『天空の蜂』を観ただけで東京に帰るのももったいないので、ついでに水戸駅前の漫画喫茶で1泊して、ついでに朝イチでシネプレックス水戸で前日公開の『ガールズ&パンツァー 劇場版』を鑑賞して、ついでに『ガルパン』聖地の大洗でも行ってみることにした。全ては「ついでに」であって、けしてこれが今回の旅のメインイベントではない。

 

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シネプレックス水戸

 

シネプレックス水戸は、水戸駅の改札から南口を出てデッキを通ってすぐのところにある。改札からチケット売り場まで階段もエスカレーターも使用しないので、非常にアクセスがしやすい。東京のシネコンでこういうところ、たぶん無いはず。さすが舞台である大洗から一番近い映画館だけあってロビーは『ガルパン』一色であり、朝の8時15分上映開始だというのに既に賑わっていた。客層は9割が見るからに『ガルパン』ファンと思わしき大人の男性だが、女性(カップル)や小さな子供も少しいた。子供がいるのは、いいことだと思う。

 

↓『ガルパン 劇場版』の感想については、先週書きましたこちらをどうぞ。

yagan.hatenablog.com

 

本編前には、駅ビルの献血センターで献血すると『ガルパン』グッズがもらえるというちょっとおそろしいコラボ企画のCMが流れたりしていた。グッズ欲しさに血を抜きすぎた人とかいたのだろうか。あと、映画本編で、スクリーンの主にキャラクターの皮膚のところに、赤みがかったザラザラな乱れがあったのが気になった。あとで東京のバルト9で再見したときにはなかった乱れなので、映画館の設備の問題だったのだろうか。ざっと検索しても、特に問題にはなっていないようだけど。本編終了後、ロビーでカップルが「私の家の前、通った」「俺んちも壊してくれよ」って会話していたので、たしかにここは茨城である。

 

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映画館で売っていた戦車型の急須。たけぇ

 

映画鑑賞後、せっかくなので『ガルパン』聖地である大洗まで行ってきた。水戸から大洗までは、鹿島臨海鉄道というJRではない電車に乗る必要がある。ホームはJRと兼用しているためPASMOで構内に入ったのだが、どのタイミングで運賃を支払えばいいのかよくわからない。格好を見るからに同じ目的の方が数名いるので、とりあえずあの人たちに着いていけばなんとかなるだろうと、電車に乗る。

 

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鹿島臨海鉄道は、こんな電車も走っていた

 

周りに何もない無人駅に2つ止まったあと、15分ほどかかって大洗に到着。運賃精算は駅員が改札でひとりづつ行っていた。10円玉がきれているとのことで、お釣りに5円玉6枚もらった。地味に財布が膨れて困る。

 

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大洗駅

 

大洗駅は、ちょっとした売店と観光案内所があるだけの小さな駅である。観光案内所は『ガルパン』で占領されていた。食事処に特化した大洗の観光案内地図があったので一枚もらい、さっき戦車が激走していた道を、あてもなく歩くことにした。土地勘のない場所をろくに下調べもせずに歩くと悲惨な目にあうものである。これまで何回も経験した過ちを、また繰り返してしまった。

 

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大洗のイメージキャラクター。どんなイメージだと思われたいのか

 

聖地巡礼とは言っても、TVシリーズを観たのは3年前だし、さっき観た映画だって別にロケ地に着目していたわけではない。水族館みたいな特徴的な場所ならともかく、普通の住宅地のどこがアニメで使用されていたかなんて、そんなにファンでもないボクにはわからない。で、駅周辺は何の変哲もない地方の小さな町なのだが、商店が並ぶ道を歩いていると、いきなり『ガルパン』キャラクターの等身大パネルがある。それもけっこうな数。なるほどこれが町おこしか。ほんと、普通の町の米屋とかに置いてあるのだが。

 

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町を歩くとパネルがたくさんある

 

それにしても劇場版公開翌日の日曜日だという割には人がいない。『ガルパン』ファンとたまにすれ違うだけで、人通りがほとんどない。大洗は、アニメとのコラボによる町おこしの数少ない成功例とされているが、実際に行った感じでは、とてもそうは思えない。実はボクが訪れたより前の週に、アニメとコラボした「大洗あんこう祭」というイベントがあり11万人を動員したそうなので、多くのファンはそちらに合わせて訪れたのかもしれないが。

 

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2階の窓にも、パネル

 

なんか映画に出ていた高い建物(大洗マリンタワー)が見えてきたので、そちらのほうへ向かう。海岸沿いはショッピングセンター「大洗リゾートアウトレット」や海鮮処などがあり、それなりに観光地らしい。でもここ、本来は車で来るところなんだろうな。大洗リゾートアウトレットには『ガルパン』の歴史パネルやポスターなどを並べた展示室や大洗の名産などと絡めたグッズ売り場などがあり、なかなか盛況。というか、アニメの恩恵が受けられていそうな場所はここくらいだった。

 

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ガルパン』ギャラリー

 

それにしても、『ガールズ&パンツァー』は戦車の話である。よって、大洗の町にはあちこちに戦車の絵や模型が飾られている。大丈夫なのかなコレ。戦車って人を殺す道具だよ。平和主義者ぶる気はないし、ミリタリーは立派な趣味の対象だとも思うけど、町おこしとして行政が迂闊に手を出すと面倒なことにならないか。まあでもこの3年の間、なにもなかったのだからいいのか。こうして戦車が普通の町に受け入れられるのは、これはこれで悪くないことなのかなと、なかば本気で思う。

 

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自販機にも、戦車

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大洗に来た際には、ぜひおみやげに装甲弾を

 

そんなこんなでショッピングセンターから大洗を太平洋沿いに歩き、途中で大洗磯前神社に寄ってアニメ絵の描かれたたくさんの絵馬を見て、全国的に見ても最大級の水族館「アクアワールド・大洗」に寄ってきた。と、一行で書いたけれど海岸沿いを歩いているだけで2時間はかかってるからね。レンタサイクルにすれば良かった。水族館についた頃にはヘトヘトで、男ひとりでラッコとかペンギンを見ている寂しさすら感じず、ただじっとマンボウの水槽の前にいた。

 

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このたび、絶滅危惧種に認定されました

 

水族館からはバスで大洗駅に向かい(運賃100円だった)、さっさと水戸駅に戻り、特急ひたちで東京まで戻った。なんか自分の要領の悪さによってちゃんと大洗観光できなかったと後悔していたが、1週間後に都内でもう一度『ガールズ&パンツァー 劇場版』を見たところ、自分がさまよった町を戦車が走り回り、なんとなく見ていた建物が壊されまくっているのにちょっと興奮した。熱烈なアニメファンでない場合は、「聖地巡礼→アニメ鑑賞」という順番のほうが楽しめるのかもしれない。

 

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購入した『ガルパン』グッズ。ひとつだけ違うものが混じっている

 

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