『暗殺教室』16巻
作・松井優征/「週刊少年ジャンプ」連載/2015.10.8 発行
主に殺せんせーの過去編。連載漫画の常として、過去編を始めるとストーリーが進まないために(読んでる側の)テンションが下がってしまう。本作も同様。殺せんせー誕生の経緯を生徒が知ることで、実は前々から抱いていた「殺せんせーへの好意」を自覚させ、暗殺への躊躇を促す。前巻での怒涛の急展開から、このあとに起こる「クラス内の分裂」への、16巻は繋ぎという位置づけ。
『斉木楠雄のΨ難』15巻
作・麻生周一/「週刊少年ジャンプ」連載/2015.10.8 発行
おそらく殺せんせーと並ぶ「ジャンプ」連載漫画上トップクラスの強さを誇る斉木楠雄(この2人にかかれば、ルフィも黒崎一護も瞬殺されるだろう)と一行が、無人島に遭難する。この漫画、主人公がテレパシーだろうとテレポートだろうと何でもできてしまう設定のため、ドラマを起こすための工夫が大変でそこが興味深い。今回は「斉木が船酔いする」という大胆な設定を加味して遭難を成り立たせている。作者が自分で作った設定に邪魔されるために自分で解決法を捻り出すという、一見すると無意味とも思えるマッチポンプが、実は壮大な創造物となって我々に提供されている。あと、やっぱり「ジャンプ」連載だけあって、基本的にギャグはレベル高い。
『七つの大罪』17巻
作・鈴木央/「週刊少年マガジン」連載/2015.10.16 発行
あまりに王道の少年漫画。ファンタジーな世界観の中で多彩なキャラクターが次々と登場し、いろんな組み合わせでバトルが展開されるのも、王道。画数の多い漢字にカタカナのルビをつけた必殺技が大ゴマで展開されるのも、王道。いろいろありすぎてもはや何が起こってるんだか解らないところも含めて、王道。個人的にはメリオダスたちの濡れ衣が晴れたところが最終回で、そのあとはどうでも良くなっていて惰性で読んでいるのだが(ごめんなさい)、これ、このままのテンションで50巻くらいまで続きそうだな。
『だがしかし』3巻
作・コトヤマ/「週刊少年サンデー」連載/2015.10.21 発行
ベビースターラーメン、ヨーグレット、コーラガムなどの実在の駄菓子をネタにしただけで1話をまとめるという、非常に高度なことやってる作品。これ、実在ってとこがミソで、たとえばサクマ式ドロップスのハッカ味を缶に戻そうとするところなど、万人の郷愁を刺激してくるのがにくい。よくある「微妙な三角関係」要素も、ちゃんとストーリーへの味付けとして効いている。なお、「SPECIAL THANKS」の表記の下にたくさんの製菓メーカーの名前が並ぶ最後のページは、『ハイスコア・ガール』を思い出させる。大丈夫だよね。