ヤガンEX

映画とか漫画とか似顔絵とか

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『まともじゃないのは君も一緒』『奥様は、取り扱い注意』『騙し絵の牙』『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

 

スポンサードリンク
 

 

 

 

 

『まともじゃないのは君も一緒』
監督:前田弘二/脚本:高田亮
配給:エイベックス・ピクチャーズ/上映時間:98分/公開:2021年3月19日
出演:成田凌、清原果耶、山谷花純、倉悠貴、大谷麻衣、小泉孝太郎、泉里香

コミュニケーション能力が壊滅的な男が苦戦する恋愛模様、という定番のモチーフを主軸にして、会話のズレからくる笑いを量産しつつ、実のところ他人同士が通じ合う難しさを普遍的に明示している。演劇的にカリカチュアされたキャラクターたちがコメディ展開を繰り返しつつ、それぞれが互いに影響され合って成長していく過程を経て、いつの間にか愛おしい存在にしてしまう手腕は、洋画を含めた類似作品と比べても飛び抜けている。自らの恋心に折り合いがつかなくなり暴走する清原果耶には悶絶。
-----


『奥様は、取り扱い注意』
監督:佐藤東弥/脚本:まなべゆきこ/原案:金城一紀
配給:東宝/上映時間:119分/公開:2021年3月19日
出演:綾瀬はるか、西島秀俊、鈴木浩介、岡田健史、前田敦子、みのすけ、セルゲイ・ブラソフ、中林大樹、浅利陽介、やしろ優、渕野右登、イゴリ、鶴見辰吾、六平直政、佐野史郎、檀れい、小日向文世

TVドラマの劇場版たるもの、すでに完結した物語の続きを創作するゆえの困難は常にあるのだが、それを解決する最も安直な手段は記憶喪失であろう。実際、多くのTVドラマやTVアニメの劇場版にて記憶喪失による人間関係のリセットが行われている。だが本作はその中でも記憶喪失の無意味さは断トツであり、表情に乏しくボーっとしている綾瀬はるかを延々と見せられるのみで、イライラが募る。やっと記憶が戻っても、夫婦喧嘩しながら周囲の敵を倒す乱闘シーンが一番面白くなりそうなのに、尺が短くアクションもおざなりで、消化不良なまま。物語を引っ張るべき国家レベルの陰謀も杜撰極まりない内容。
-----


『騙し絵の牙』
監督:吉田大八/脚本:楠野一郎/原作:塩田武士
配給:松竹/上映時間:113分/公開:2021年3月26日
出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、斎藤工、中村倫也、坪倉由幸、和田聰宏、石橋けい、森優作、後藤剛範、中野英樹、赤間麻里子、山本學、佐野史郎、リリー・フランキー、塚本晋也、國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市、レディビアード

巨大企業を舞台にして、小さなどんでん返しが繰り返されては足の引っ張り合いが加速する先に、結局は秘密裏に巨大なコネを持っていた者による勝ち戦だったと明かされる点で、映画『七つの会議』とよく似ている。本作の場合は、その先に更なるカタルシスを用意しているので、エンタメ的な爽快感は上々ではあるが。百年以上の歴史を持つ文芸誌を赤字なだけで悪役に仕立てるなど、出版業界に対するあえての敬意の無視は気になるところ。何十年も消息不明だが今の高校生にも人気の天才小説家なんて存在が、現実の日本にはいないのが、一番の絶望かも。
-----


『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』
監督:水島努/脚本:吉田玲子/アニメーション制作:アクタス
配給:ショウゲート/上映時間:48分/公開:2021年3月26日
出演:西住みほ、茅野愛衣、尾崎真実、中上育実、井口裕香

女の子が戦車で戦う人気アニメの最終章の第3話。単体作品とすれば、これまでになく真っ当な展開が続き、ファンが盛り上がれそうな奇策もほとんどなく、高揚感もストレートに収まる。そのためエンドロール直前の"引き"が他の全てよりインパクトが大きく、作品自体が霞んでしまう結果に。もちろん、あくまでシリーズの中盤の話なので、たまにはそのパターンもあっていいが。それにしても、トーナメント戦なのに対戦相手のそれまでの試合をチェックしていないのはどうなのかと、前作と同様に気になる。
-----

 

スポンサードリンク