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【洋画旧作】U-NEXT「おすすめ関連作」数珠つなぎVol.01--『泥棒成金』『三つ数えろ』『汚名』

新作映画の公開がどんどん延期になって、土日は映画館もほとんど休みなので、自宅でネット配信されている旧作映画ばかり観ている。(月額料金が高いから当然だが)過去の名作のラインナップを手広くカバーしているU-NEXTを利用することが多い。

U-NEXTは、映画再生終了後に「おすすめ関連作」として、ジャンルが近かったり出演者が同じだったりする映画が3つ紹介される。ふと思い立って、「次のおすすめ」を数珠つなぎ式に連続して観てみたらどうなるかと、試してみることにした。今回は、その最初の3本です。

 

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『泥棒成金』
監督:アルフレッド・ヒッチコック/脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ/原案:ディヴィッド・ドッジ
配給:パラマウント/上映時間:106分/日本公開:1955年
出演:ケーリー・グラント、グレイス・ケリー、ジェシー・ロイス・ランディス、ジョン・ウィリアムズ、ジョン・ウィリアムズ、ブリジット・オーベール、ジャン・マルティネリ

特に意味なく、なんとなくグレイス・ケリーを観たいなと思って選んだ1本目。金持ちしかターゲットにしない宝石泥棒だった男が、第二次大戦後は足を洗ってのんびりと暮らしていたが、自分の名を騙る偽物が現れたために、警察などから疑われながらも真犯人を捕まえようとする。
物語の骨格から、パーティーに仮装して忍び込むあたりなど含めて、どうしてもルパン三世(ただし性格はジェントルマン)を想起させる。ヒッチコックが後世に影響を与えているのか、もともと古今東西よくあるパターンなのかはわからないが。グレイス・ケリーの母親役で、宝石が盗まれることにも頓着せず悠然と構えるジェシー・ロイス・ランディスの佇まいが、いかにも凡人の常識の枠外にいる金持ち像を体現していて面白い。

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『三つ数えろ』
監督:ハワード・ホークス/脚本:ウィリアム・フォークナー、リイ・ブラケット、ジュールス・ファースマン/原作:レイモンド・チャンドラー
配給:ワーナー/上映時間:114分/日本公開:1955年
出演:ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール、ジョン・リッジリー、マーサ・ヴィッカーズ、ドロシー・マローン、エリシャ・クック・Jr

私立探偵フィリップ・マーロウを主人公としたハードボイルド小説を映画化。物語自体は入り組んでいるので全てを理解しようとすると疲れてくる(小説だからちょうどいいボリュームではないかと)。気障に形勢逆転を披露するハンフリー・ボガートや、強気で常に優位性を保とうとするローレン・バコールなど、いかにもハードボイルドらしい個々のシーンを楽しむのが、おそらく正解であろう。

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『汚名』
監督:アルフレッド・ヒッチコック/脚本:ベン・ヘクト
配給:セントラル映画社(日本)/上映時間:101分/日本公開:1949年
出演:ケーリー・グラント、イングリッド・バーグマン、クロード・レインズ、レオポルディーネ・コンスタンチン、ルイス・カルハーン

またヒッチコックに戻ってきた。アメリカ連邦警察官のケーリー・グラントから命令され、イングリッド・バーグマンがナチ一味の首謀者の元へ潜入捜査する。展開そのものよりも付随するメロドラマのほうに比重が置かれ、男女が互いに惹かれあっているのに噛み合わないもどかしさが、全てを知らされる観客に悶絶を促す。
(本人の思惑を超えて、ではあるが)自分への恋愛感情を利用してイングリッドに危険な任務を負わせるケーリーの所作からは、女性を「モノ」扱いする卑劣さを感じ取ってしまったが、公開当時の批評でもその指摘は多かったらしい。エリック・ロメールとクロード・シャブロルの著書『ヒッチコック』では、この見方を否定している。
ワインボトルの中のウラニウムは、いわゆる「マクガフィン」の代表例として有名。

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次は『断崖』の予定。ヒッチコックから抜け出せない。 

 

続き

yagan.hatenablog.com

 

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