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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『サクリファイス』『劇場版 SHIROBAKO』『劇場版 ごん』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

 

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『サクリファイス』
監督&脚本:壷井濯
配給:Recolte&Co./上映時間:77分/公開:2020年3月6日
出演:青木柚、半田美樹、五味未知子、藤田晃輔、櫻井保幸、矢崎初音、下村花、三坂知絵子、草野康太、三浦貴大

63点
何かを隠したまま平穏を装う大学生たちが交差する序盤のツカミは、雰囲気づくりを含めて見事で引き込まれる。怪しげな新興宗教や連続する猫殺しなどが、東日本大震災を記憶に持つ若者にとっては救いとして捉えられ、不穏なものと隣り合わせにある日常が当たり前のものとして提示されるのは非常に現在的。ただ、ほぼ唯一の部外者ながら自ら深淵に足を踏み入れてくる女子学生が、真実を知り始めてからは大声で心象を叫ぶ人に変わってしまっているのは、さすがにキャラクターがぶれていないかと感じたが。
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『劇場版 SHIROBAKO』
監督:水島努/原作:武蔵野アニメーション/アニメーション制作:P.A.WORKS
配給:ショウゲート/上映時間:119分/公開:2020年2月29日
出演:木村珠莉、佳村はるか、千菅春香、高野麻美、大和田仁美、佐倉綾音、山岡ゆり、葉山いくみ、米澤円、井澤詩織、田丸篤志、松風雅也、中原麻衣、吉野裕行、小林裕介、檜山修之、こぶしのぶゆき

66点
アニメの制作現場にかかわる様々な職種の人々を描いたTVアニメの劇場版。基本的にはTV視聴者向けのファンムービーで、登場キャラクターも相当な数なのだが、ちょっと変わったお仕事ムービーとしては初見者でも充分に興味深く楽しめる。無理難題を達成するための一番重要なプロセスが人集めであるのは示唆的であり、プロフェッショナルが段々と集結していく様子は少年漫画的でワクワクする。まあ、結局は努力と情熱で何でも乗り切っていく展開には、ちょっと引っかかるのだけれど。
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『劇場版 ごん』
監督:八代健志/脚本:八代健志、本田隆朗/原作:新美南吉
配給:太陽企画/上映時間:28分/公開:2020年2月28日
出演:田中誠人、入野自由、國府田達也、辻良江、いわいのふ健、上野黎也、平川和宏、貴詞いち子、中澤明日香、田植文歌

56点
新見南吉「ごんぎつね」をストップモーション・アニメーションによって映画化。技術的なクオリティの高さと、根気のいる制作環境であったことは、ストップモーションになじみがない人にも充分に想像がつく。ただ、なぜ今あえて「ごんぎつね」を取り上げたかという誰もが感じる問いへの答えは無く、オチまで含めて誰もが知っている話が淡々と語られるので、クオリティへの畏怖が一段落して以降は無感動の渦に陥ってしまう。銃の音が響いた後もBGMが途切れず流れたままなのは、ちょっと珍しかったが。
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