もう2019年の更新はしない予定だったんですが、ブログの記事数が499だったので、どうせならキリよく500にして2019年を締めくくっておこうかと思い、年間ベストを発表してみた次第です。大晦日にやっつけで書いた記事ですので、適当に読み流していただければと思います。
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第1位
『松永天馬殺人事件』
映画の虚構性に向き合ったときに、もっとも直接的な方法として誰もが一度は思いつくことではあるが、まさか本当に実現してしまうとは。ベストかワーストのどちらかにするしかない、2019年最大の問題作。
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第2位
『主戦場』
すみません。これ、洋画なんですが入れちゃいました。内容とは無関係なところで話題になってしまったが、中身はゲラゲラ笑える楽しいエンタメ作品。ラスボスの放つ一言によって、映画館の観客が一体となって呆れ返るという、稀有な体験ができる。
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第3位
『翔んで埼玉』
説明は不要ですかね。これがヒットしたことは、素直に喜ばしい。
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第4位
『多十郎殉愛記』
世間的には廃れたと言われて久しい時代劇における技巧の継承という点で重要な作品。やはり時代劇は照明によって決まるのだと再確認した。
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第5位
『劇場版 幼女戦記』
あらゆる人物の「どうして、こうなった?」の積み重なりによって勝手に戦争が肥大化していく批評性。論理思考の塊である主人公が、個人の感情で動く相手に翻弄されるラストのバトル。アニメーションとしての画の動きによる快楽。などなど、あらゆる面で傑出した魅力があり、作品全体のバランスが取れている。
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第6位
『虚空門GATE』
UFOを信じる人たちを追ったドキュメンタリーかと思いきや、中盤からカメラの前で幾度となくとんでもない事態が起こり、最終的には極めて個人的な愛の話になっていく。終始、何を見せられているのか解らず混乱するが、そこにドラッグ的な心地よさがある。結論を決めずにただただカメラを回していたために、とんでもないものが撮れてしまった、実のところ正攻法のドキュメンタリー。
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第7位
『ひかりの歌』
説明を極力排除して、仕草や表現によって淡い恋模様の存在をほのかに示すことで、極めて純文学的に抒情を掻き立ててくる。傘などの小道具の使い方も見事。
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第8位
『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』
『ジョーカー』と同日に公開によって、ほとんど話題にならず貧乏くじを引いてしまった作品。年の差夫婦の妊活というデリケートな話題を、ここまで普遍的な物語に落とし込んでいるのは、圧巻の一言。個人的なことを言うと、映画館で涙が出た今年唯一の作品です。
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第9位
『東京アディオス』
実在の地下芸人を主人公にして、ある種のマジックリアリズムを構築している。看板持ちのバイトをしていたら絡まれる冒頭シーンや、虚実の入り混じる構成など、何かと『ジョーカー』との共通点が多いが、最終的には「あなたが本当に観たかった『ジョーカー』」へと導いてくれる(もちろん、人に寄りますが)。
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第10位
『スタートアップ・ガールズ』
W主演の2人の関係がきちんと対等で、互いに影響しあい成長していく、極めて真っ当なバディ・ムービー。こういう対照的なキャラクターで片方がエキセントリックだったりすると、「影響する」「影響される」に分かれがちなんだけど、これはそうなっていない。今この一瞬しか使えない、とある東京の風景の使い方も効果的。
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そんなわけで、2020年も適当に更新していくと思います。よろしくお願いします。
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