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【邦画】最近観た邦画感想レビュー-- 『引っ越し大名!』『台風家族』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』

最近観た邦画3作のレビューです。文中で直接的に結末には触れていませんが、一応ネタバレにはご注意ください。

 

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 『引っ越し大名!』
監督:犬童一心/脚本&原作:土橋章宏
配給:松竹/上映時間:120分/公開:2019年8月30日
出演:星野源、高橋一生、高畑充希、山内圭哉、正名僕蔵、ピエール瀧、飯尾和樹、和田聰宏、岡山天音、松岡広大、富田靖子、中村靖日、矢野聖人、鳥越壮真、斉藤暁、丘みどり、向井理、小澤征悦、濱田岳、西村まさ彦、松重豊、及川光博

58点
可もなく不可もなく、きちんと平均点を出していて、この手のファンタジー時代劇としては充分。「いざ、勝負!」とばかりに観客も気合を入れてから映画館に向かう映画ばかりが持て囃されるが、ふらっと映画館に入って軽い気持ちで観られる映画も必要であろう。お上からの無理難題をそこそこの知恵と不眠不休の頑張り(個人的には好きな描写じゃないけど)で成し遂げる定番の話。一応、チャンバラもあるし。欠点を挙げるとすれば、武力しか取り柄の無いやんちゃな侍が高橋一生ってのは、さすがに無理があった。あんな下手な酔っ払い演技、滅多に拝めるものじゃないので、逆に必見かも。

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『台風家族』
監督&脚本:市井昌秀
配給:キノフィルムズ/上映時間:108分/公開:2019年9月6日
出演:草なぎ剛、新井浩文、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、若葉竜也、甲田まひる、長内映里香、相島一之、斉藤暁、榊原るみ、藤竜也

59点
久しぶりに集まった兄弟たちによる遺産相続を巡る話。あえて舞台劇程度のリアリティに留めたうえできちんとキャラクターを固めることで、純粋に楽しく笑えるシチュエーションコメディには仕上がっている。ただ、後半は泣かせに入るのだが、こんな話で感動を誘おうとするのはさすがに無理がある(おそらく創り手は百も承知だろうが)。画的な躍動感で誤魔化していたが、それでも風呂敷を畳もうと努力しているのは好ましい。ところで、法律関係の件で何ヶ所か引っかかったのだが、どれほど現実に即しているのだろうか。

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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』
監督:藤田春香/脚本:鈴木貴昭、浦畑達彦/原作:暁佳奈
配給:松竹/アニメーション制作:京都アニメーション/上映時間:90分/公開:2019年9月6日
出演:石川由依、寿美菜子、悠木碧、子安武人、内山昂輝、遠藤綾

63点
ヴァイオレットの成長を描いたTVアニメ版とは別路線で、本作ではヴァイオレットが最初から能動的に動き、ゲストキャラクターの成長を促す側に回る。異世界モノのフォーマットに即した階層社会における逸話を用いていて、アニメに不慣れな者も拒んでいない(TVアニメもだが、エピソードの骨格自体はベタで解りやすく、そこに京アニのこだわりを感じる)。すでに結論が解っている関係性の変化は淡々とテンポよく流しているにも関わらず、画の繊細な美しさが感動を増幅させていて、自然と満足度は上がる。一枚の絵画のようなカットの中で、服や髪の毛が少しだけ揺れている手間のかかった描写を惜しげもなく当たり前のように出すあたり、京都アニメーションの本気が垣間見える。

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