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【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『町田くんの世界』『月極オトコトモダチ』『悪い女はよく稼ぐ』

6月公開の邦画3作の短評レビューです。例によって、軽くネタバレありです。

 

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『町田くんの世界』
監督:石井裕也/脚本:石井裕也、片岡翔/原作:安藤ゆき
配給:ワーナー/上映時間:120分/公開:2019年6月7日
出演:細田佳央太、関水渚、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子

73点
純然たる善意を振りまく男子高校生・町田くんが、本人は無自覚のまま周囲の人々に気づきを与えていく。明らかに年齢的に無理のある役者たちが制服を着て高校生を演じる"コスプレ感"が、作品内の虚構性を担保しているため、町田くんの現実的なありえなさにも説得力が生まれている。後半、町田くんを巡ってそれまでの登場人物たちが校舎を走り回るシーンは『桐島、部活辞めるってよ』に通じるカタルシスがあり、そこから空を飛ぶに至るまでの超展開がひたすら爽快である。

 


『月極オトコトモダチ』
監督&脚本:穐山茉由
配給:SPOTTED PRODUCTIONS/上映時間:78分/公開:2019年6月8日
出演:徳永えり、橋本淳、芦那すみれ、野崎智子、師岡広明、三森麻美、安保優一、市川昂一郎、小泉翔太、山田佳奈

65点
「男女の友情は成立するか?」という古典的な問いに、レンタル友達なるフックを挟むことで、新たな可能性を模索している。平穏な友情の間に異質な関係性が入りこむことによって、一味違うドラマを産み出す力量はさすが。マンションの室内のように条件が厳しい中での撮影や照明などの計算されたテクニックが素晴らしく、とても新人監督とは思えない安定したポテンシャルを感じる。会話の中でふいに挟まれるカメラ目線のショットが作品に深みを与えている。

 


『悪い女はよく稼ぐ』
監督:原隆仁/脚本:木崎加奈子、柏原寛司
配給:ピープス/上映時間:89分/公開:2019年6月8日
出演:長谷直美、熊切あさ美、水口晴幸、西山浩司、武蔵拳、ルー大柴、青木英美、竜雷太

34点
映画初主演となる長谷直美が詐欺師を演じ、思い付きみたいな計画で大金をせしめる。脚本も演出も編集も近年トップレベルの適当さで、ベテランの役者を揃えているのにも関わらず会話ひとつまともに成り立っていない。ショッピングセンターで電話に出るシーンのためだけにグアムでロケしている辺り、旧知の仲を集めて遊びに行ったついでにでっちあげた代物としか思えないのだが。美点を強いてあげれば、くまきりあさ美の中途半端な色気シーンくらいなのは、さすがにいかがなものか。

 

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