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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.11 京都編(後編)--「出町座」シアターBFの最後列にはハコウマがある

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出町座

開館:2017年/運営:シマフィルム/スクリーン数:2/座席数:計90(42,48)/音響:JBLシネマスピーカー、JBL LCR+surroundスピーカー
所在地:京都市上京区/アクセス:叡山電鉄、京阪電鉄 出町柳駅より徒歩5分

 

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中編はこちら

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「京都シネマ」鑑賞後、徒歩で祇園四条駅まで向かい(四条駅と祇園四条駅がけっこう離れていると、その時に知る)、そこから京阪電鉄に乗り出町柳で降りる。叡山電車の始発駅で、すぐ近くに下鴨神社もある有名な場所だ。アニメファンとしては森見登美彦原作の諸作品や京アニ『たまこまーけっと』の舞台ということで、自然とテンションが上がる。

駅を出て鴨川デルタにかかる橋を渡ると、大通りの向こう側に出町枡形商店街の看板が見えてくる。

 

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『たまこまーけっと』の舞台でおなじみ、出町枡形商店街

 

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アーケードに入ってまっすぐ進むと・・・

 

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十字路の一角に「出町座」が見えてくる。

 

ちなみに、さらに直進すると『たまこまーけっと』でおなじみの、あの鮫がいる。さらにちなみに、東京に戻ってから『中二病でも恋がしたい!』の劇場版を観ていたら、まさに同じ場所が出てきた。

「出町座」は2017年の12月28日(リュミエールのシネマトグラフが一般公開されたのと同じ日)に会館しているので、この日(1月2日)は、まだオープン6日目。元々は2017年7月に営業終了した「立誠シネマ」(小学校の校舎の一部を改装した珍しい映画館。結局、行けなかったなあ)が、クラウドファンディングによって資金を集めてここに移転したという形だという。

 

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オシャレな入口

 

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券売機でチケットを買う
横の券売機は、カフェ用

 

小洒落た料理店みたいな入口を開けて目の前の受付に行くと、ちょうど自分の真後ろにあった券売機に誘導された。タッチパネルではなく押しボタン式の自動券売機は「池袋新文芸坐」以来かもしれない。ちゃんと上映する映画ひとつひとつに対して料金ごとにボタンが分かれている。時間的にちょうどいいので、加藤泰の撮ったドキュメンタリー映画『ざ・鬼太鼓座』を観ることにする。なぜこれが「出町座」で一般公開されているのか、結局わからないままなのだが。

チケットを買うと、また振り返って受付に誘導され、座席表を差し出される。あ、ここ、全席指定なのね。スクリーンが下に配置された座席表だったので見辛かったのだが(これだけは改善したほうが良いと思います)、4列あるうちの最後列は椅子が高すぎて足が床に届かないという面白そうな情報を聞いたので、せっかくなのでそこに座ることにする。席を告げるとその場でチケットに座席番号と開映時刻をボールペンで記入された。デジタルとアナログが融合している。

※ なお、この珍しいチケット購入方法は、「出町座」公式サイトにも、券売機上部の張り紙にも、手順が丁寧に記載されています。ボクはひとり勝手にあたふたしてましたが。

 

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一部の人には突き刺さってくるバイト募集

 

「出町座」は2階と地下1階にそれぞれスクリーンがある(今回は地下1階)。1階は受付のほか、中央にキッチンのあるカウンター形式のカフェと、それを取り囲むような通路と巨大な本棚が配置されている。上映時間まで待機するための溜まりスペースがほとんどないため、結果としてカフェのお客さんの周りをグルグル回りながら待つようになる。まあ、所在地がアーケードつき商店街で車も滅多に走らないところなので、外で待っていればいいのだが。

来る前は、上映まで1時間くらいだしカフェで何か食べながら待つかと考えていたが、思わぬ盛況ぶりだったがために席は埋まっており(10席くらい?)、一旦外に出て『たまこラブストーリー』でもち蔵がたまこに告白した鴨川の飛び石のところとか眺めて時間を潰す。

 

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ハコウマ完備

 

上映10分前になり、呼び込まれて地下への階段を下りて館内へ。階段脇の壁には『この世界の片隅に』のコンテが飾られている。全国どこにでもいるな、すずさん。4冊目の座席はたしかに足が届かない。そのため、一席につき一つづつハコウマが完備されているという、間違いなくここでしか体験できない座席となっていた。けっこう歩き通しだったので、足を宙ぶらりんにすることで休息が取れて良かった。

設備はなかなかのもので、ちゃんと暗いし音響も良かったので、『ざ・鬼太鼓座』の世界観に軽くトリップすることができた。映像に関しては、この作品からでは判断するのが難しいが。ついこの間できたばかりなのだから設備が良いのは当然でもあるのだが、クラウドファンディングで作ったオシャレな映画館がいざ開館してみたら・・・という実例が東京であったもので。

正直ちょっと意外だったのは、デザイン学校の学生が考えるようなオシャレっぽさが前面に出ていること。ブックカフェという発想がまずそうだし、カフェと本棚の配置計画なんかにも、何かしらの自意識がにじみ出ている。それが悪いということではなく(実際、こういう雰囲気の映画館を実現させるのって大変だろうし)、「立誠シネマ」の成り立ちやコンセプトから考えると、方向性が意外だなあと思っただけのことだが。

ともかく、京都観光のスケジュールにちょっと組み込めるちょうどいい映画館ができたことは喜ばしい。日が経つにつれて、上映作品も『ざ・鬼太鼓座』みたいな一般の人が躊躇しそうな映画ばかりでもなくなってきたので、足を運んでみてはいかがでしょうか。帰りがけに「出町ふたば」で豆餅買えるし。

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新幹線に乗る前に「Tジョイ京都」に寄って『ガルパン最終章 第1話』も観た。

 

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過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」

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