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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.11 京都編(前編)--「京都みなみ会館」の座席は4列目が最も低い

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京都みなみ会館

開館:1963年/運営:巖本金属/スクリーン数:1/座席数:154/音響:DCP
所在地:京都市南区/アクセス:JR京都駅より徒歩20分、近鉄東寺駅より徒歩3分

 

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 あけましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願いします。

というわけで、元日から1泊2日で京都に行ってきました。一番のお目当ては、新しくできたミニシアターと、もうすぐ無くなってしまうミニシアターの2カ所。最初に訪れたのは、もうすぐ無くなってしまうミニシアターのほうです。

さて、2018年の元日。意外にも午前中の東京発の東海道新幹線は空いており、なんなく窓側の席を確保。午後1時に京都駅に到着する。ここから徒歩で「京都みなみ会館」に行けるのだが、次の上映時間が午後4時開始。3時間も空いている。せっかく京の都に来ているので、空き時間を利用して有名どころの神社で初詣に行こうとする。

というわけで京都駅から四条駅まで行き、そこから歩いて烏丸駅まで行き、桂駅で乗り換えて松尾大社駅で降りる。この電車移動だけで片道30分ほど。京都の神社の中では比較的空いているというネット情報を鵜呑みにして松尾大社まで来てみたのだが、やっぱり大量の人がいた。駅から本殿までは近く、参拝はすぐにできたのだが、御朱印を貰うのに15分ほどかかる。元日なんで仕方ない。御朱印を貰ったあと、急ぎ足で元来た経路で京都駅まで戻る。

 

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簡易屋根があったため、松尾大社の本殿がちゃんと見られなかった

 

京都駅から「京都みなみ会館」までは徒歩で約20分。「Tジョイ京都」の入っているイオンモール脇を通り、大通りが交差しているところで1度曲がれば到着する。というか、細かい経路はともかく、とりあえず東寺に向かって歩けば自然と着く。

 

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「京都みなみ会館」入口

 

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建物越しから見る東寺

 

「京都みなみ会館」は、「みなみ館」という名前の邦画専門の映画館として1963年12月開館。1988年に運営会社が変わり、今の名称になる。癖のある映画を上映することが多く、オールナイトも定期的に行われており、全国的に有名な映画館である。この日は、タルコフスキー特集の一環で『ソラリス』やってた。

そんなシネフィルから愛されている映画館なのだが、建物の老朽化が激しいが修繕する予算が無いということで、2018年3月での「一時閉館」を発表した。2018年中の再開を目標としているが、少なくともこの建物での上映は3月で終わりである。

 

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入口にも一時閉館のお知らせが

 

2階への細い階段を上がり、ガラス製の扉を開けると、受付と広めのロビーがある。ロビー奥には自販機があり、その前に丸テーブル2つにそれぞれ椅子が4つ置かれている。チラシや物販や本棚が良い感じに乱雑していて、ちょっとした隠れ家的な雰囲気を作っている。

 

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本棚の本は売り物ではなく、ロビーで読む用

 

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けっこうくつろげそう

 

ちなみにこの規模のミニシアターでは珍しく、建物の横には専用の駐車場(13台)が完備されている。かつて1階にパチンコ店があったためであろう。

さて、今回は『パターソン』『エンドレス・ポエトリー』という2本を連続で観ることにする。映画サービスデーでもあるので1本につき1100円だった。スクリーンは1つのみで、154席。どちらの作品も客数は40~50人くらいだったか。ジム・ジャームッシュにホドロフスキーという個性の強い監督の作品にもかかわらずこれだけ入るのは、映画館の力もあるだろう。

 

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扉にはいろんな人の大量のサインが書かれている

 

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側面の扉にはゴジラとメカゴジラ
実は「京都みなみ会館」は特撮も多く上映している

 

上映10分前から、チケット番号順に呼び込まれる。まず2番まで、次は5番まで、その次は7番までと、小刻みだ。座席は1列につき11席。真ん中(5席目と6席目の間)と両端に通路がある。後ろの壁に温度計があるのが珍しい。で、他の映画館にはない「京都みなみ会館」の一番の特徴なのだが、前の3列は後ろより高い位置にあるのである。

 

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文字情報を入れてみたが、かえって解りにくいか?

 

後方の扉から入って通路を進むと、まずは他の映画館と同じように前方に向かってなだらかな下り坂となっている。後方ほど椅子を高くするという普通の作りだ。だが、前4列のところまで進むと、そこから上り坂になる。つまり、前から3列目までは、座席の位置が少し高くして傾斜がついており、無理なくスクリーンを見上げることができるようになっているのだ。前の席でも見やすいようにした独自の配慮である。

ということは後に知ったため、物は試しと一番低い4列目に座ってしまった。ここだと、前の人の頭がちょうど字幕にかかってしまう。前の席のほうが高い位置にあるのだから当然だ。2本目は後方に座ってみたが、この回も前に人の頭があったにもかかわらず、邪魔になることはなかった。

ともかく、あと3か月で、この古い小さなビルに入っている「京都みなみ会館」は無くなってしまうのである。映画館体験という意味では、座席通路を歩いて傾斜を感じるだけでも面白さを得られるのではないか。立地も外観も内装も映画のセレクトも、すべてひっくるめて愛着がわいてくる不思議な映画館なので、このビルの2階にあるうちに一度訪れて体感して損はないと思う。

 

中編に続く

yagan.hatenablog.com

 

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京都で「六地蔵行き」の電車を見るたびに、この世ではない場所に連れていかれるのではと思ってしまう

 

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過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」

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