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【邦画】『青春夜話 Amazing Place』--夜の学校とは、なんと神秘的な空間だろうか

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監督&脚本:切通理作
配給:シネ☆マみれ/公開:2017年12月2日/上映時間:74分
出演:深琴、須森隆文、飯島大介、安部智凛、松井理子、友松直之

 

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66点
夜の学校とは、なんと神秘的な空間だろうか。こと青春映画において、夜の学校は日常からちょっと外れた舞台として、幾度となく使用されている。あまりに使い勝手が良いので、昨今のセキュリティ事情なんてお構いなしに、ごくごく簡単に忍び込めることになっているし。今年だと『逆光の頃』とか、他にもいくつかあったな。

本作は、日常生活のくだらなさに疲れ切っている会社員男女がたまたま出会い、同じ高校だと判明したため、母校に忍び込んでSEXしまくるという話である。うん、直接的な表現で説明したら、情緒も何も無くなってしまった。

さっきも触れたセキュリティだとか、あと学校のいろんな部屋でいろんなことしてるけど一晩でできる分量じゃないだろとか、そんな大量の絵の具はどこにあったのかとか、そういう現実的なところは別にいい。男のほうが「ふと、良いことをした」からこそ女と出会うところからして、寓話的な作りなのだし。それより気になるのは、特に前半、あまり物語と関係ない人たちが、妙に目立っているところか。特にエキストラでも問題ないはずの居酒屋の店員は、なぜあそこまでクローズアップされていたのか。

さて、学校に忍び込んだ男女は、SEXしたり踊ったり教室を絵の具でメチャクチャにしたりと、劇中で言うところの「青春のやり直し」をこれでもかと行う。最初は男が主導権を取り、女にロッカーで見つけた制服を着せたりする(本人は「見てる側だから」という理屈で着ない)が、女のほうもちょいちょい男をなじり、図書室のシーンにおいては主導権を逆転させる。

楽しそうな2人を観ながら感じたのは、これ、どっちかが妄想の産物なんじゃないのかなあと。これが、男が女にとっての妄想とも、逆に女が男にとっての妄想とも、どちらにも捉えられてしまうのが不思議だ。もちろん、どちらも実在しているという描写もあるので、お互いが相手にとっての妄想であるかのように無意識に演じているのかもしれない。それもまた夜の学校の神秘性が成せる技なのかもしれない。

夜の学校の神秘性は、どんな非現実的な状況もアリにして、ひたすら幻想的な装飾を施していく。こんな便利な舞台装置は、これからも映画内で活用されていくのだろう。ただ思うのは、2人がメチャクチャに破壊した教室は、昼間は学生たちが「現実の空間」として使用している場所でもあるのだ。破壊するのは勝手だが、無関係な人たちの現実まで破壊するのは、八つ当たりもいいところであるなあと、少し感じた。

 

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