ヤガンEX

映画とか漫画とか似顔絵とか

【邦画】『探偵はBARにいる3』感想レビュー--そろそろ大泉洋について真剣に考えるべきではないか

f:id:yagan:20171207220332p:plain
監督:吉田照幸/脚本:古沢良太/原作:東直己
配給:東映/公開:2017年12月2日/上映時間:122分
出演:大泉洋、松田龍平、北川景子、前田敦子、志尊淳、リリー・フランキー

 

スポンサードリンク
 

 


61点
大泉洋とはなんなのか。一度、真剣に考えるべきではないか。ボクの知る限り、タレントとしてのポジションが唯一無二の存在である。人気者ってだけならたくさんいるが、その人気の源が、どうにも掴めないのだ。さらにややこしいことに、ボク自身、大泉洋は好きだし面白いのである。嫌いな人だったら「なんでこんなのが人気あるんだよ」と悪態をつくこともできるのに。

飲み会などで触れないほうが良い話題は政治・野球・宗教と言われているが、そこに大泉洋も加えたい。迂闊に悪口でも言おうものなら、意外な人が大ファンで激怒されたりして、驚いたことが何度かある(別に北海道出身者だけではない)。これが嵐とか長渕剛とかなら熱狂的なファンの存在を部外者でも把握できているのだが、大泉洋のファンというものはあまり可視化されていないので、その存在を目の当たりにするとビックリする。

ボクが大泉洋を知ったのは、北海道民ではない大多数の人と同じように、『パパパパパフィー』であった。本当に「誰これ?」という感じで、同じ番組に同じような感じで出ていたユースケ・サンタマリアと同一視していた。ユースケのほうは、すでに『踊る大捜査線』にも出ていた時期だったが。

そのあと、どのような手順を踏んで大泉洋が今の日本映画界に欠かせない存在になっていったのか、どうしても思い出せないのである。いつの間にか、こんなことになっていた。大泉洋は、「北海道では人気らしい変なあんちゃん」という印象のまま、今の地位まで上り詰めた。映画・ドラマの出演時も、そのイメージに準じた配役が多い。

大泉洋は、キー局のバラエティ番組には番宣でしか出演しない。1~2年に1回、あらゆる番組に出演し、その場を自分のモノにして荒らしまくって去っていく。どんな番組でさえ、大泉洋が出演すれば神回になるのだ。こんな番宣タレント、そうはいない。タレントとしてのポジションの異様さは、ここにある。

番宣でバラエティ番組に出演した時の大泉洋には、黄金パターンがある。まずは周囲から寄ってたかって理不尽に弄られる。その時の言い返しが、語句のセンスから何から抜群で、笑いをかっさらう。「良かったなぁ、殴っても届かない位置にいて」とか、けっこう直接的な攻撃の文句だったりも多い。『水曜どうでしょう』の名言「おい、ピザ食わねぇか」も、このパターンから生まれた。

嘲笑を含んだ理不尽なイジメに対するカウンターパンチによる反撃という構図は、見ていて単純に心地よい。たかがバラエティ番組なのに、大泉洋は、虐げられていた者の逆転劇というカタルシスを発生させているのだ。これは映画の主人公と同じだ。だから人は、大泉洋に快感を得る(同時に、共演者に悪意を持つ)。この辺が、大泉洋の謎の人気の正体かもしれない。

あ、映画『探偵はBARにいる3』の話ね。すでにして大泉洋のアイコンというべきシリーズ(役名が無いのも、大泉洋の映画という点に拍車をかけている)。前2作の「東映魂」継承者である橋本一から監督が代わっているため、暴力シーンなどはマイルドになっていて少々物足りなかったが、それでも東映らしいプログラムピクチャーとして安定感が出てきている。

どうやらこのシリーズの大泉洋(探偵)は、依頼人である女に散々利用されるというのがパターンらしいが、今回は依頼人が男だったため一応解決させていた。その代わり、北川景子にはやっぱり利用されていたが。レギュラーキャラクターである人たち(重松豊、マギー、田口トモロヲ、安藤玉恵、篠井英輔)が、ただの顔見せではなくきちんと映画内の物語に準じて登場している辺りは、さすが脚本の古沢良太の腕が光ったところではなかったか。

 

スポンサードリンク