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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.10 山形編(後編)--「鶴岡まちなかキネマ」はリノベーションの成功例ではないか

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日中に撮った外観

 

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前編はこちら

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先に言っちゃうが、今回の山形編は失敗したのである。「鶴岡まちなかキネマ」は地方の映画館として非常に興味深いのだが、こちらのスケジュールミスが重なってしまい、そんなにちゃんと見られなかったのである。1泊の強硬行程だったのだが、こんなんなら2泊にして余裕をもって行動しても良かったのかもしれない。

 

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夜でも明るい看板

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夜の入口

 

「庄内映画村資料館」から駅前まで戻ってきたのが午後5時。「鶴岡まちなかキネマ」は、上映作品はシネコンのようなラインナップだが、初公開から「2週間~1か月」くらい遅れての上映のようである。巡り合わせが悪かったのだが、この日の夜に観られる作品は、既に観た作品が多数を占めていた。

まだ観ていないかつ観たい作品は『ベイビー・ドライバー』くらいだったのだが、これが夜9時15分という遅い時間。しかもなぜか普段は夜8時半なのに、この日だけ45分も遅くなっている。まあ仕方ないので、時間を潰すことにする。

と、言いたいところなのだが、実は大問題が発生していた。今日の宿が無いのである。当てにしていたネットカフェは1件のみで、駅の裏側のだいぶ歩いたところにある。そして町の規模から考えて、それほど大きくはない。ネットカフェは入ってしまうと途中で抜けることができないので、今のうちに席を確保するということもできない。

映画終了は11時半を回る。そこから30分以上かけてネットカフェまで行ったところ、満席で入れないとなったら、野宿決定だ。値段はかかるが、今のうちにビジネスホテルを抑えたほうが良い。

しかし、鶴岡駅前はアパホテルをはじめとするビジネスホテルがいくつもあるのだが、この日はどこも満室なのである。高校生っぽい団体をいくつも見かけたので、何かイベントか試合でもあって、それで埋まっていたのかもしれない。あちこちのホテルに電話をかけているうちにスマホの充電が切れてしまい、万事休すの状態。

そんな「もしかして野宿かも」という状態で、映画を観るわけである。まあ、映画を観るときの精神状態ではない。

 

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上映が遅かったのは、このイベントのせいだったらしい

 

仕方ないので上映時間が近づいたところでロビーに入る。「鶴岡まちなかキネマ」は、昭和初期の木造工場をそのまま映画館に転用している。最近流行りのリノベーションってやつである。元が工場だったため、ロビーもだだっ広い。

 

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チケットカウンターにはモニター完備(全席指定)

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売店もでかい

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山形の特産品を使ったアイス

 

ロビーは広いのだが、テーブルや椅子の配置まで含めて、ちゃんとレイアウトされている(ロビー全体の写真を撮ったはずが、どっか行ってしまった)。コミュニティセンターのような用途も兼ね備えていると思えば、充分だろう。

 

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グッズは壁の片側を用いて見本を並べる、という形

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日本遺産(って何?)に選ばれたシルク製品の販売も行っている

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天井の剥き出しの梁が、かつての工場の面影を残している

 

ロビーのソファに座ってボーっと待っていると、講演会を終えた神田さんという女性が出てきた。そこからお客さんとのサイン会がロビーで始まる。それも全て終わったのと時を同じくして、場内清掃も終わる、いそいそと客席に入る。他の客は4人くらいだったが、時間的に仕方ない。

 

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客席は、こんな感じ

 

あくまで内装による印象なんだけど、客席全体を覆うシックな木の質感は、デザインとして優秀ではないでしょうか。実は客席も梁が剥き出しなのだが、別に映画上映中に視界に入るわけでもないので、それほどの違和感は覚えない。

ここ、リノベーションの成功例なんじゃないか。工場だった当時の面影は外観と天井の梁に集約させて、実際に利用者が用いるロビーや客席は利便性と落ち着いた雰囲気を一から作っている。空間デザインとして申し分ない。映画館としても、イベントなどを行うコミュニティセンターとしても、あるいは観光スポットとしても、それなりに機能しているのは素晴らしい。訪れたのが夜中だったので普段の利用状況が解らないのだが、周囲に映画館のない地域なので、客を選ぶアート系作品ではなく、シネコン系の大作を上映しているのも正しい。

けっこう感動すると同時に、こんな真夜中ではなく、休日の昼間とか混雑している時間帯に、周辺を含めてちゃんと訪れてみたいと思った限りである。もう一回、今度は時間に余裕をもって来てもいいかも。なお、例の「宿が無い」問題ですが、上映終了後に45分ほど歩いて1件だけあるネットカフェに行ったところ、フラットタイプの席が空いておりました。助かった。

 

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米林監督、来てたのか。

 

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過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」

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