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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.09 広島編(後編)--「呉ポポロシアター」で終戦記念日に『この世界の片隅に』を観る

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ダジャレが作りやすい町、呉

 

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「呉だと、分かる。呉ば、分かる」

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2017年8月15日

広島駅からJR山陽本線で約45分ほどで、呉市に到着する。戦時中は東洋一の軍港と知られ、それらの遺産は今では観光資源として活用されているが、それより何より昨年の大ヒット映画『この世界の片隅に』の舞台として一躍脚光を浴びているのが、呉市である。

 

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改札で、さっそくすずさんにお出迎えされる

 

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軍艦アピールも怠っていない

 

『この世界の片隅に』の観光マップが観光案内所などに置いてある。呉市、広島市のロケ地の案内図なので、映画の上映時間まではそちらを頼りに呉市を散策してみることにする。

 

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海軍の集会所だった建物の前
すずが周作に忘れ物を届けるシーンでここを通る

 

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すずと周作のデートの終わりに語り合う橋
(当時とは建て替えられている)

 

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義父の円太郎が入院した病院と、その前の階段
この階段を下りたあと、あの悲劇が・・・

 

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旧澤原家住宅の三つ蔵(現在は重要文化財)
すずが家から町へ降りるシーンで、何度か登場する

 

旧澤原家住宅は、駅からずいぶんと離れていて、案内マップでは道がまったく書かれていなかったので、しばらく住宅地の中で迷っていた。文明の利器(スマホ)を駆使して、やっと探し出した。

別にこの日が終戦記念日だからではないとは思うが、同じ目的だろうか、同じ場所で写真を撮っている観光客が数名いた

 

ざっと呉市内を回って駅前に戻ったものの、まだまだお目当ての『この世界の片隅に』の上映(この日は1日1回のみ)まで時間が余ってしまったので、どうせならとその前に上映する『怪盗グルーのミニオン大脱走』もついでに観ることにした。

 

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いつもの光景

 

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「呉ポポロシアター」の入っているビル

 

「呉ポポロシアター」があるのは、アーケード商店街の中ほどにある商業ビルの4階。1階にはマクドナルドとタリーズがあるので、この商店街の中でもひときわ賑わっていた。ただ、この日はお盆休みでもあるので、閉まっている店も多かったというのもあるが。

 

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3階までエスカレーターまで上がると、ポスターが並んでいた

 

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3階から、建物の反対側に移動して、

 

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裏動線みたいな階段を上ると、

 

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「呉ポポロシアター」に到着

 

巨大なディスカウントショップみたいな3階の店の脇を抜けて、バックヤードみたいなところに行くと、「呉ポポロシアター」に続く階段がある。ちょっとしたダンジョン気分だ。4階建てくらいの規模の商業ビルにある映画館だと、たまにこういうのある。やっとたどり着いた先で「ポポロ」のネオンサインを見つけると、ダンジョンの奥で見つけたお宝みたいに思える。

 

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地元なので、展示もしっかりしている

 

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もちろん観光案内も充実

 

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コメントの数が凄まじい

 

「呉ポポロシアター」はスクリーンが2つで、それぞれ209席と152席。『この世界の片隅に』はイレギュラーだが、基本的にシネコンで公開されるような大作を公開している。呉市の人口とか広島市までの距離とか考えると、この規模の映画館がここにあるのは、ちょうどいい。

『怪盗グルーのミニオン大脱走』と『この世界の片隅に』のチケットを両方買おうとしたが、それぞれの時間にしてと言われる。全席自由席で、これ驚いたのだが「入れ替わり制」じゃないんである。同じ映画だったら同一料金で1日何回でも観続けていいという、東京だったらミラノ座閉館以降は名画座でしか残っていない、あの懐かしのスタイル。感動した。残念ながら『怪盗グルー』は最終回だったのだが。

『怪盗グルー』は、公開からだいぶ経っているのもあり観客は少なめ。見事に親子連ればかり。驚いたのは『この世界の片隅に』で、1年前の作品だというのにけっこうな人が入っている。終戦記念日だからなのか。あとボクと同じく「遠方から来た人」もちらほらいたっぽい。

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館内

 

『この世界の片隅に』は子供もたくさん観に来ていた。4歳くらいの男の子はさすがに途中立ち上がったり後ろを向いたりしていたが、それより大きい小学校低学年くらいの子になると、大人しく観ていた。わかるんだ、これ。すごいな。

『この世界の片隅に』の鑑賞は3回目だが、やっぱり監督の細部に至るまで当時を再現するという狂気を伴った名作であった。正直、3回くらいでは全てを観ることができないくらいの細密さであろう。直前まで呉市を歩き回りすずさんと同じ景色(約60年の時間差はあるが)を見ていたこともあり、たとえば自宅から町までの距離感が掴めたりしたので、より一層物語に没入することができた。

ただ、ちょっと思うのは、この呉市というところは、今も軍艦が主要な観光資源として、ある意味では現役バリバリの存在として鎮座しているのである(今回はあまり行けなかったが、軍艦がらみの観光スポットもたくさんある)。そこに颯爽と現れた『この世界の片隅に』という新たな観光資源。別に好戦:反戦という対立を作りたいわけではない。両方が複雑に絡み合ったうえで、呉市という町がある。世の中は単純化できない。そんなことを考えていた。

 

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呉市で一番衝撃だったダジャレ
「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」

 

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過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」

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