たしか2年くらい前の年末のTBSの深夜の特番で、1年間に放送されたバラエティ番組をすべてチェックして、出演者が笑いを取った数を集計してランキングにして発表するというものがあった。とんでもない手間がかかるせいか、それっきり放送されていない。
たしか笑いを取ったベスト3が有吉弘行、上田晋也、明石家さんまだったと記憶しているが、その中で気になったのが、爆笑問題・太田光の順位が異様に低かったことである。たくさんTVに出ていて、ボケまくっている印象が強かったので、意外であった。
そんなことをなんとなく思い出したので、じゃあ今はどうなんだろうと思い、1週間分、太田光が笑いを取った回数をカウントしてみた。
調査期間
2017年8月7日(月)~13日(日)
調査内容
太田光の発言で笑いが発生していた回数をカウント。笑いがあまりに小さいときは主観で判断してノーカウントにした。ワイプ時の発言は含まない。
では、調査結果です。
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8月7日 テレビ朝日
『バクモン学園』13笑い
笑いを取った発言一覧
「やっぱ大阪ってダセェのかな」
「クオリティが一番高い番組って言われてるから」
「オマエもかけろ!」
「それ、のりおさんやないか」
「昔、モンペだったから」
「意味があそこに無いのがいいですね」
「野沢先生、振られるんだからさ、用意しとけよ」
「お彼岸みたい」
「間違ってるんだよ!」
「太ったああいうやつ」→「ああ、お前か」
「謎だから、阿佐ヶ谷姉妹と叶姉妹のプライベートは」
「三福エンターテイメント」(最下位の発表を食い気味に言う)
「面白いところが無かった」
雑感
太田光が進行で、若手芸人に順番に振るスタイルという番組のため、自然とツッコミが多くなっている。いわゆる「太田らしい」ボケは、阿佐ヶ谷姉妹に対して叶姉妹の名前を出してきたところくらいか。太田光が若手に対して愛があることが、よくわかった。ちなみに「野沢先生」ってのは野沢雅子のモノマネでプチブレイク中のアイデンティティ田島のことです。
8月8日 TBS
『世界の日本人妻は見た!』2笑い
笑いを取った発言一覧
「お母さんも桑田さんですね」
「僕もマ、マ、マヨ、マヨ、マヨラー」
雑感
「お母さんも桑田さんですね」 というのは、ゲストで来ていた桑田真澄の息子の見た目が日本人離れしていたため、デヴィ夫人が「親はどこの国の人?」と聞いたことに対してで、ツッコミというより訂正。もうひとつも噛んだだけなので、能動的な笑いはひとつもなかった。
8月8日 NHK
『探検バクモン』(再放送)10笑い
笑いを取った発言一覧
「なんで生徒ヅラして座ってるんだよ」
「大げさな~ ことは~」(平井堅のモノマネ)
「武田鉄矢でございます」
「腐ったミカンは、食べちゃいかんのです」
「あなたたちに言いたいことが~」
「なに喋りゃいいんだよって、言われたんだよ」
「あたいが志村だよ」
「浅香光代だよ」
「うーんどうでしょう。私にできるでしょうか」
「五木ひろしである必要はあるのかな」
雑感
再放送です。コロッケにモノマネの極意を学ぶという内容だったため、その場でクオリティの低いモノマネをすることで笑いが起こるというパターンが主。ショー中心で活動するモノマネ芸人が観覧のような形で多数いたので笑いは発生しやすい環境だったが、それにしてもNHKはスタッフ笑いが少ないね。
8月11日 TBS
『爆報!THEフライデー』2笑い
笑いを取った発言一覧
「大河内さんに移した」
「出す映像が違う!」
雑感
大河内さんというのは、ゲストの小沢真珠と『牡丹と薔薇』で共演した大河内奈々子のこと。このあとサプライズ登場していた。笑いにしにくい内容も多い番組なので、太田光も割と控えめ。それにしてもこの番組、ひな壇の芸人が全然喋れていない。
8月12日 テレビ朝日
『世界が驚いたニッポン! スゴ~イデスネ!!視察団』0笑い
雑感
0笑いなのは、スタジオのシーンがほとんどないため。それなりのゲストをそろえているのだが、こんなんだったらスタジオ収録は必要ないんじゃないか? あと、この番組は初めて見たけど、日本の伝統とか最新技術を外国人に見せて「スゴ~イ」と言わせるって、品が無いにも程がある。恥ずかしくないのか。
8月13日 TBS
『サンデージャポン』22笑い
笑いを取った発言一覧
「あの歌とストーリーが合致するんだと、ひとりで喜んでました」
「さーんかーいめー」
「今日は西川さん、未亡人キャラですか」
「例えで余計わかりにくくなってる」
「なかなか言えないよ、それ」
「田中君も普段、カンペを朗読してるだけですから」
「ところで泰葉の袋とじは見ました?」
「ミニストップじゃなくて、駐車ストップだね」
「喋れる、止めれる、コンビニエンスというからね」
「よく、河童に足を引っ張られるんだって看板あるじゃないですか。あれは詐欺にはならないんですか?」
「まー俺もあーなったことあったんだよー」
「織田裕二じゃなくてお前がやったほうがいい」
「ひとつもわかんなかった」
「インパラよりコアラのほうが近いんじゃないか」
「お前のほうが悪いじゃねえか」
「何人かブラック・デスがいるんじゃないか」
「うちも文子ママのDVD作って」
「ちょっと詰めが甘いね」
「私もよくね、女性から「指、何本あるの?」って言われるんですが」
「これ、日本で言うとみのもんたと吉田の・・・」
「誰のパスポートでも取るわけじゃない」
「ちゃんと名札を読んでほしい」
雑感
この週で太田光が最も笑いを取った番組。VTR明けにボケを言うタイミングを与えられていて、このとき芸人・太田光の本領ができている。クセのあるパネラーが多いので、ツッコミも多い。なんだかんだで太田光をちゃんと楽しめるのは、この番組くらいかもしれない。河童の看板が法律違反じゃないかという話は、妙に納得してしまった。
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総評
一番驚いたのは、太田光は思ったよりTVに出ていないんだな、ということ。1週間で6番組というのは少なくないのかもしれないが、多くがスタジオでVTRを見る番組で、スタジオのシーンがほとんどない番組もある。実際に太田光が画面に映っている時間は非常に短い。
たった1週間だけの調査だが、TVにおける爆笑問題の扱われ方がわかってきた。VTRメインの番組でスタジオのMC席に座らせるのに、可もなく不可もなく丁度いい安パイなのが、爆笑問題なんである。これより芸歴が上のダウンタウンとかとんねるずとかだと、別の意味が生じてくるし、逆にオードリー辺りだと、手抜き間が発生してしまう。
まあこれはどちらかというと司会者としての田中裕二の安定感によるものだろう。太田光は、なんか一緒に来ちゃった人、みたいな感じ。しかし爆笑問題をこういう扱い方していいのか。漫才師としては現役トップクラスの才能の持ち主のはずなのに。
今や太田光はMCの立場になることがほとんど(この週は、全て)であるため、ツッコミが多くなっていたのは発見であった。もっとメチャクチャな、周りの空気を無視して暴れまわる番組がひとつでもあればいいなあと思ったが、太田光も年齢を重ねたからだろうか、あのイメージも過去のものになりつつある。『お笑い向上委員会』もあんまり出てくれないし。