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【洋画】『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』--ガールズ・アクションだったら、せめてちゃんと動こうとしてくれ

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監督&脚本:ケヴィン・スミス
配給:パルコ=ハピネット/公開:2017年7月1日/上映時間:88分
出演:リリー=ローズ・デップ、ハーリー・クィン・スミス、ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジョニー・デップ

 

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45点
コンビニのバックヤードでギターを弾きながらマイクスタンドの前で歌う2人の少女。大きいほうの人が歌詞を間違えたり曲にのれなかったりすると、小さいほうの人が「ちゃんとしてよ」という感じで正す。それを繰り返しつつ、傍らでドラムをたたく入れ墨だらけの男を、やけにカメラは何度も映す。

女子高生がバイトをさぼって裏でロックやってるってことなんだが、しょっぱなの扱いからして何やら意味ありげなドラマー、本編の話にほとんど絡んでこない。というか、このあとは回想シーンとラストにしか登場しない。そんな感じで、この作品、映画を構築するためのセオリーがほぼ無視されている。

88分という短い映画なのだが、前半はほぼ人物紹介に費やされる。誰か登場するたびにゲームミュージックっぽい音楽とポップな字幕で派手に紹介されるのだが、このうち半数以上は、これで出番は終わりである。次から次へとちょっと変なキャラクターが出てくるが、話自体は遅々として進まない。イライラが募る。

セオリーの無視そのものが悪いわけではない。この手のやつは、出演者の誰かが大化けするなどして、B級カルト映画として何年か後に再評価されるかもしれない。その時が来たとしてもボクは45点という評価を変えるつもりはないが。セオリー無視の代わりに得られる変わった何かが、一切無いから。

ここまで述べてきたような、脚本上のバランスがおかしいという点はいいとしよう。フツーの女の子が未知の悪と戦うという内容で、絶対に外せないものがあるだろう。いうまでもなく、アクションだ。これがない。演者ができないのではなく、周りがやらせていない。ヨガ教室に通っていることがエクスキューズになっているのだが、ヨガのポーズをとるだけで相手は勝手に死滅していく。ワクワクのかけらもない。

せめてコンビニの中でアクションやるなら、陳列している商品がグチャグチャになるくらいはしてくれと。CGがちゃちなのは仕方ないけど、女の子がほぼ動いていないのってどうなんだ。動こうとしても動けないなら、それはそれでアイドル映画の見方の一つだが、ガールズ・アクションと銘打っているのに、はなから動かそうとしないなんてさあ。ダメでしょ。

鑑賞後に知ったのだが、本作はケヴィン・スミス監督の前作『Mr.タスク』(未見です)のスピンオフだという。主演のひとりが監督の娘で、もうひとりがその友達で、その友達の両親であるジョニー・デップとヴァネッサ・パラディも共演して、ついでに弟も出して、という内輪のノリなのかも。門外漢が楽しめなくて当然か。

それにしても、監督の娘(JKコンビの大きいほう)は器量が良いわけではないのに、なぜ見た目からして天性のサラブレットであるデップの娘の横に並べさせられているのか。女は嫌でも見た目で比べられてしまうが負けずに強く生きろという、父親からの愛のムチか。あと、パンフレットはちゃんとキャスト紹介してくれ。5人だけって酷くないか。まあ、「カナダのヒトラー」を演じている小太りで髭の人が誰なのかを知った時は驚いたが。子役の変化ってすごいね。

 

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