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【邦画】『美しい星』--なんだかユーロスペースにいるような錯覚に陥った

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監督:吉田大八/脚本:吉田大八、甲斐聖太郎/原作:三島由紀夫
配給:ギャガ/公開:2017年5月26日/上映時間:113分
出演:リリー・フランキー、亀梨和也、高橋愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介

 

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58点
ここ最近、ブログの更新が途絶えていたのは、仕事が忙しかったからではなく、スーパーファミコンと『ドラゴンクエストVI』を買ったからである。家にいる間はずっとやっている。チャモロが仲間になるところまで進んだが、ムドーのいる城までたどり着けず、何度も全滅している。今、ドラクエVIの話題を持ち出して、どれだけの人が食いついてくれるかはわからないが。

それにしてもドラクエ面白い。これまでドラクエとは無縁の人生を送ってきたことが悔やまれる。なんで誰もドラクエ面白いって教えてくれなかったのか。

ええと、本題に戻ります。ドラクエVIと同じく「なぜ、今?」ということで、三島由紀夫原作の『美しい星』。感想を一言で言えば、あえてのチープ感、ということか。監督がすでにメジャー作品をいくつも手掛けている吉田大八で、配給がギャガで、ジャニーズのアイドルを含む有名な役者を揃えていながら、異常なチープ感がスクリーンいっぱいに広がっているのだから、狙ってやっているに決まっている。もちろん製作費はけして高くないだろうが、吉田大八監督の技量だったら低予算を感じさせない作品を作ることは過去作で実証済みである。

地球の人間に成りすました宇宙人が紛れ込んでいる、というのが物語の核である。これ、自主製作とかの低予算映画に多い設定だ。本当、何かというと宇宙人が出てくる。宇宙人という「常識の外側からの視点」があると、批評性が出しやすいからなんだろう。本作もまたしかり。『美しい星』はTOHOシネマズ渋谷で観たのだが、なんだかユーロスペースにいるような錯覚に陥った。

三島由紀夫の原作を読んでいないのでどれだけ準じているのかわからないが、「常識の外側からの視点」による社会批評はあんまり面白くない。リリー・フランキー演じる気象予報士が生放送中に地球温暖化で南極の氷が解けているだなんだと訴えており、そのシーン自体はリリーの怪演も相まって笑えるのだけれど、言っている中身の陳腐さは救うべくもない。これもまた、あえてなんだろうけど。

本作で「おっ」と思ったのは、中盤で「実は宇宙人じゃないんじゃないか」という流れになっていくところ。ここでボクは、無意識に「彼らは宇宙人だ」という前提で映画を観ていたことに気づかされた。現実世界で「私は宇宙人だ」っていう人がいたら違うだろと決めつけるくせに、なぜ映画の中では宇宙人はいるもんだと思い込んでいるのか。そんな自分の中の矛盾(ってわけじゃないけど)を突かれた気がした。

佐々木蔵之介の無機質さが宇宙人(念力とか使う系)の役柄にピッタリだったので、これからもどんどん宇宙人役をやってほしい。あと人間役だけど、中嶋朋子(変換キー押すたびに元オセロの人になるのどうにかならんか)の「怪しいマルチ商法にのめり込んでいく主婦」というのはハマり役だった。もっと映画出てほしいなあ、中嶋朋子。

 

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原作

美しい星 (新潮文庫)

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