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【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】vol.6 山梨編(後編)--「塩山シネマ」には子供がいなかった

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城の門番みたいなのがいた

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前編は、こちら

yagan.hatenablog.com

 

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さて、甲府のシアターセントラルBe館で『オーバー・フェンス』を観終わったのは昼の12時半くらい。ここから、次の目当てである塩山までは電車で20分ちょっと。上映時間の午後3時までは充分に時間がある。というわけで、甲府城跡地でポケモンGOやってたら、いつの間にか乗る予定の電車を逃していた。

中央線と名乗っておいて、まさか1時間に2本しか電車が来ないとは。1本遅れただけだというのに塩山駅への到着は上映開始時間ギリギリで、駅から塩山シネマまでダッシュすることになった。知らない土地を時間に追われながら走るのは、なかなか不安なものである。

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駅から線路沿いに通りを進み・・・

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1度曲がって・・・

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すぐ、もう一度曲がって・・・

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住宅地の奥へ進んでいくと・・・

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突如、映画館が現れる

この企画で色々な映画館を訪れたが、ここまで完全に住宅地の中にあるのは初めてである。というか、用途地域はクリアしているのか。映画館は、住居系の地域には建築不可のはずだが。気になって、「用途地域マップ」で甲州市の用途地域を調べてみたが、第2種中高層住居専用地域(映画館NG)と近隣商業地域(200平米未満なら映画館OK)のちょうど境目あたりだった。ネットで見る限り、住居専用地域のほうが建物に大きく被っているので映画館はダメな気もするが。近隣商業地域だとしても、200平米(正方形だとしたら1辺が約14m)というのも微妙だしなあ。まあ建てられた時期にもよるし、どうにかしたのでしょう。

ともあれ、土日と祝日のみ営業(なお、毎週ではない)している、いわゆる「週末映画館」というジャンルに属する塩山シネマ。そういう形態だからか、映画情報系のサイトによっては掲載されていないこともある。アニメを中心にファミリー(というか子供)向けの映画を多く上映していて、ボクが訪れた時は、『シン・ゴジラ』と『ペット』を上映していた。地域に根ざした子供が喜ぶ映画館、といった感じのコンセプトだろうか

せっかくなので『シン・ゴジラ』を観ることにした。3回目の鑑賞だが、これまで場内に子供がいたことが無かったので、この映画に対する子供の反応というのを知りたかったから。受付に行くと、よくシステムがわからないが、チケットは1000円にしてくれた(ほとんどは800円だけどね、とか言われたが)。しかも半券は次回鑑賞時の割引券になるらしい。今後の人生で、この映画館にもう一度行って割引券を使う可能性はあるだろうか。

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座席は120席なので、新宿武蔵野館の一番大きなところと同じくらい

で、上映時間ギリギリに入ったのだが、他に客がいない。と思ったら、あとから入ってきた。いかにも映画が好きそうなソロ男性客が3人と、おばさん3人組。シアターセントラルBe館と客層が大差ない。子供なんか、来る気配もない。これは『シン・ゴジラ』だからか。『ペット』だったら、また違うのか。『シン・ゴジラ』、はっきり言ってファミリー向けじゃないしなあ。

 館内だが、第一印象として、ガランとしている。なんとなくだけど、スクリーンに比べて天井が高すぎる気がする。目測で天井高8mくらい。いや、シネコンの小さめの部屋とかとたいして変わらないかもしれないが、住宅地でひっそりやってる映画館という事前の情報から想像されるこじんまり感がない。空間的に広々としているがゆえに狭苦しい感じ。何を言っているかわからないが。無駄に天井の高い部屋って、なんか怖くない?

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壁や天井のシミに、年季を感じる

さて『君の名は。』と『劇場版 妖怪ウォッチ』の予告(2本とも、塩山シネマで来年に公開するという。そういえば過去のラインナップを見てもやけに東宝が多い)のあと、『シン・ゴジラ』が始まった。とにかく気になったのだが、音声が小さく、聞き取りにくい。ご存知のとおり、この映画は登場人物がみんな早口なので、初見だと何言ってるかわからないのではないかという箇所がいくつもあった。天井が高いから音が拡散されちゃってるのかなあとか思ったが。これは塩山シネマがどうこうというより、『シン・ゴジラ』の問題かもしれない。それなりの音響設備でないと何言ってるかわからないってのは映画のほうの責任だろう。

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地方の映画館恒例、フィルム映写機の展示はここでも

鑑賞後、ロビーに置いてあるフィルム映写機をデジカメでパシャパシャやってたら、映画館の人に話しかけられた。そこで重大なことを聞いたのだが、ボクが観ていた『シン・ゴジラ』、わざと音響の質を下げているというのだ。塩山シネマが誇る5.1chデジタルサラウンドは使用していない。なぜかというと「懐かしい感じを出したかったから」だそうだ。たしかに『シン・ゴジラ』は1954年の『ゴジラ』に多大な影響を受けている作品だが、ちょっとそれは違うのではないか。そもそも、塩山シネマがメインターゲットとしている子供たちにとっては、そういう懐古趣味は何の意味もないからねえ。(なお、話しかけてくれた館長っぽい雰囲気の人も「個人的には5.1chのほうがいいと思うんですけどねえ」と言っていたので、別の誰かによる仕業である)

それにしても、地域に根ざしたファミリー向けの映画館って、実際にやろうとすると難しい。よくよく考えたら、「ファミリー向け映画」って基本的には大手配給による大作なんだよなあ。ここで上映される映画のほとんどは、TOHOシネマズ甲府でも上映しているだろう。車を飛ばしてそっちに行って、ついでに買い物とか食事とかしたほうがよっぽど家族サービスになる。むしろ平日の学校が終わったあとくらいの時間に上映したほうが、ふらっと子供たちが寄れたりできるのかなあとか、ちょっと思った。いろいろ難しいんだろうけど。

あと繰り返すけど、音響でもなんでも、質を下げることがサービスになることはまずないです。そんなことやっていいのは普段から奇行を繰り返している立川シネマシティだけです。

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甲府駅前の「はなの舞」は、武田信玄に便乗していた

 

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 過去の「47都道府県すべての映画館で映画を観る企画」

 大分編

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 岐阜編

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 富山編

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 奈良編

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 茨城編

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